6 行きはよいよい、帰りは…?
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奈落も一緒にいるようだ。朧に見つかった。
_「零!今までどこに行っていたのだ!?探したのだぞ?」
相変わらずクマがスゴい。そうだよな、顔色も悪くなるよな、虚の血が巡ってるんだもの。
_「いえ、今回戻ってきたのは、自分の状況説明と、任務の失敗を伝えに来ただけですわ。心配しないで。」
_「つまり、高杉晋助の暗殺に失敗した、ということですか?」
この声は…!?
後ろを振り替えると、虚がにこやかな笑みを張り付けてそこに立っていた。
_「し……虚…様…!?」
息が詰まる。まさかご本人と対面するとは思っていなかった。
_「は、はい。ごめんなさい。」
と、一応謝る。
_「いいんですよ。で?今はどこにいるのですか?」
_「今は鬼兵隊監察としてスパイ活動をしています。何度か暗殺しようとしたのですが、その度になせか気づかれ、ことごとく失敗しています。」
これは半分本当で、半分嘘である。
_「ほぉ。世界最強を謳われるあなたが…?信じられませんね。」
_「はい。自分でも信じられません。では、私はこの辺で、」
と去ろうとした時、近くに寄った朧に捕まった。
_「待て、零。まだ話は終わっておらんぞ。」
_「何がですか?」
まさか、このまま帰れない、とか汗)
刀が首もとに差し込まれる。
_「とりあえず、首領たちに会いに行くぞ。」
ハンズアップしたまま、連行される。
何とか逃げられないかな、と隙をうかがった瞬間、虚が口を開いた。
_「ちなみに、零。もし逃げるつもりなら、止めておくべきですよ。ここから簡単に逃げられるとでも思っていたのですか?」
アンタはエスパーかッ!wwwww
ってか、そのまさかのまさかだったんですけどッ!
_「…それは、どういう意味ですか?私が逃げるつもりとお考えで?」
外見は松陽先生なのに、中身は虚だ。言い方とかはそのままなのに、どこか恐ろしいオーラを纏っている。
_「おやおや、これは失礼しました。てっきり逃げるつもりかと思っていたものですから。ならば安心ですね。」
銀時と同じ、蘇芳色の瞳が、じっと見つめている。何もかも見透かされているような錯覚に陥る。
_「いえ、逃げはしませんが。天導衆のお偉様方に、私初めてお会いするものですから。緊張してしまって。では、参りましょう。」
まぁ、いい。なんとか乗り切ろう。
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