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提督はBarにいる・外伝
ブルネイ第一鎮守府vs幻想殺し
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「行きます、fire!」

「榛名、全力で、参ります!」

 演習開始の号令と共に、金剛と榛名が砲撃を雨霰とぶちこむ……が、あまり当てる事は意識せず水柱を派手に上げる事に注力している。当たれば儲け物、という位の集弾率だ。動きを制限する為の牽制射撃であり、視界を塞ぐ目眩ましの意味もある。その時間稼ぎをしている間に、赤城と加賀は発艦を済ませ、夕立と時雨は肉迫する。

「今度はちゃんと狙うネ〜……fire!」

 牽制が終わった金剛が、今度は狙い澄まして砲撃。波立って動けなくなっているマリンバイクに、吸い込まれるように砲弾が迫る。

「YES!貰ったネー!」

 命中を確信して金剛がガッツポーズをする。が、上条は予想外の行動に出た。

「おおぉぉぉぉぉぉ……らあっ!」

 気合いの籠った叫びを上げながら、飛んできた砲弾に右拳を振り抜いた。砲弾と拳が接触した瞬間、ガラスの割れる様な音と共に砲弾が『消滅した』。弾かれるでも粉砕されるでもなく(それでも十分におかしいが)、跡形も無く消え去ったのだ。

「…………はっ?」

「えっ?」

 あまりの出来事に動きが止まる。観戦していた俺達も、海上で戦闘していた金剛達も。しかし上条は違った……棒立ちになった瞬間なんて大チャンスを逃すハズもなく。

「止まるな!狙われるぞ!」

 俺の喝で意識が戻ったのか、ハッと気付いた金剛達がバラバラに動き始める。が、上条の乗るマリンバイクはその頃にはトップスピードに達しており、一直線に金剛と榛名の下へ向かっている。

「Shit!」

「くっ……やらせません!」

 格闘戦で迎え撃とうと足を止めて構えた金剛と榛名だったが、上条は気にせずフルスロットルで突っ込んでいく。バカなのか?それともさっきのあの現象に絶対の自信があるのか。三人が交錯した瞬間、吹き飛ばされたのは金剛と榛名だった。しかし、先程のように何かが砕けるような音はせず、ただ吹き飛ばされて海上に背中から叩き付けられる。艤装が思いっきり水を被っている。アレでは航行できるかも怪しい所だ。

「おい、見えたか?」

「はい、今金剛さん達をぶん殴ったのは左手……でしたね」

「任意で発動のオンオフが出来るのか、それとも右腕だけの能力か……」

「何れにしろ興味深いです!あぁ〜……解剖して分析したい!」

 何気に明石がマッドサイエンティスト化してるが、確かにあの能力は厄介だ。そもそも、あいつホントに人間か?←※注:提督は自分を普通の人間だと思っています





 上条はハンドルを切り、華麗にターンを決めると今度は夕立と時雨に狙いを絞ったらしく、再びスロットルを全開にして突っ込んでいく。が、

「やらせませんよ!」

「……ナメないで欲しい
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