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獣篇V
2 無自覚なストーカーは、たちが悪い。

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_「オイ、いつまでオレから逃げるつもりだァ?いい加減捕まりやがれや。」

はい。確実にこの声は、晋助くんです。

_「はて、何のことにございましょうか、総督様?」


後ろからhold on された。耳元で声がして一瞬だが、ビックリした。

_「しらばっくれるたァ、いい度胸じゃねェか。ここは一つ、お仕置きといこうかァ?」


_「何をされるおつもりで?」

_「そうだなァ、とりあえずお前を部屋に連れていくとしよう。」



そのまま部屋に連行された。



あ、お茶淹れましょうか?と言って部屋の隅に行く。ジロリと(殺気を帯びた)冷たい視線を感じたが、無視することにした。

急須と湯飲みをもって卓袱(ちゃぶ)台に着く。お茶を注いで一段落ついて煙管を咥えた。

_「どうかしたの?え?私何かした?」

_「オレの隙をついて逃げただろうが。良い度胸してんじゃねェかァ。」

_「えー?逃げてなんかないよー?」

_「じゃあ証明してみろや。」

_「証明って具体的に何をすれば良いのかしら?」

_「自分で考えろや。場合によっては…覚悟しとけや。黒笑」


は?何をすれば良いの?

_「え?いや、その…船内の探検と言いますか…探索してました、ハイ。」

ジリジリ後退りするも、向こうも同じだけこっちに迫ってくるものだから。怖いのなんのって。www

_「ほォ?で?まさかそのままトンズラかますつもりだった、とか言うんじゃあるめェなァ?」


そんな端正な顔で黒い笑みを浮かべてたら威圧感半端ないんですケドッ!

まぁ、そのまさかだが。それは口が裂けても言えませぬ。wwww

_「いやいや、そんなことはないですよー汗)」

_「そんなことだろうが。いい加減白状しやがれ。」


_「いやいやー違うって。ヒドイよ、自白の強要だよ、刑法に違反してるよー。あ、そうか。鬼兵隊は無法集団だもんね、(どっかの偉い人を先頭に。)」

_「オイ、小声のはずのところが全部聞こえてんぜェ?こりゃァ、お仕置き決定だなァ?覚悟しろや。」


俗に言う、壁ドンの状態である。お互い身長も(ほとんど)同じで、膠着状態が続いたので、不意をついてしゃがみこんだ勢いと壁を借りて股の間を通り抜けた。するんと通り抜けた勢いも借りて、着いた先にヒョイと立ち上がる。すると彼は鞘付きの刀で、面を仕掛けてきた。私も、鞘付きのままで応対する。

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