41部分:第七話 学校に入ってその一
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地味かな、って感じもします。
「これから毎日見るなんて」
「嬉しい?」
「よくわからない」
私はお母さんにそう答えました。
「何て言ったらいいか。何て言うんだろう」
「何か今の千里ってあの時のお母さんと同じね」
「お母さんと」
「ええ。お母さんもそうだったわ」
にこりと笑って私に言ってきました。
「どうなるか。物凄く不安でね」
「そうだったの」
「誰だってそうなのよ」
またにこりと笑って私に言うのでした。
「凄く不安で。けれどそれに何とか耐えて」
「そうしてやっていくのね」
「そうよ。これから本当に色々あると思うわ」
お母さんは黒門の前を見ました。そのずっと前に天理高校があります。瓦の屋根で何か普通の校舎とは随分違ったお屋敷みたいな建物の。テストで行ったからそれはもう知っていました。
「それでもね。頑張るのよ」
「頑張っていけるかしら」
やっぱりそれが不安になりました。
「私、これから」
「お友達ができるわ」
お母さんはまずはお友達を出してきました。
「寮にいるわよね」
「うん」
それももう決まっていました。それが一番不安なんですけれど。
「色々とお友達ができてね。やっぱりこれも最初は凄く不安なんだけれど」
「今の私がそうよ」
お母さんにもそのことを言います。
「怖い先輩とかいないかしら」
「絶対いるわよ」
やっぱり。そうだと思いました。
「それでも。優しい人も一杯いるから」
「だったらいいけれど」
「だから。安心していいわ」
にこりと笑って私に告げてきました。
「そんなに酷いことにはならないかしら」
「本当!?」
それが全然信じられませんでした。寮生活って何かととんでもないしきたりとかあるんだって聞いているのでそれが怖くて。正直今ここから逃げ出したい気持ちもあります。
「悪いけれどそれは」
「信じられないのかしら」
「ちょっと」
それを正直に答えました。何だかんだで歩いているうちに信号を越えて。天理大学の下に近付いてきました。本当にもうすぐです。
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