暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜白猫と黒蝶の即興曲〜
交わらない点:Point before#3
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許されない。それがなんとなく分かる、分かってしまう。……そんな時、あなたならどうする?」
そこまで言われた時、何となくイヨはその問いの対象が自分ではないことに気が付いた。
ユウキ。
同じくスツールに座るインプの少女に向けて、その不思議な少女は言葉を投げかけていた。
同じくそれが分かったようだったユウキは、少しだけ戸惑うように身体を硬直させた後、逡巡する間もなく口を開く。
「止める!」
「……私にはそれができな――――」
「それでも止める!」
食い気味にそう言い切る少女は、己の内から溢れるものを抑えられないとばかりに身を乗り出す。
「止められないとか、そう作られたとかっていうのは、キミの他が引いた線引きだよね。そして何より、キミ自身もそれに押し流されてなあなあにしちゃってる」
ボクもそうだったよ、とユウキは言う。
《絶剣》と冠され、キング・オブ・ノーマルとまで呼ばれたアインクラッドの王の一角は、遠い茫洋とした過去を思い出すのではなく、真っすぐ前を向いたままそう言った。
「他人の評価で流されて、勝手に自分で一線を引いて、傷つかないように逃げて……。ボクも、そうだったよ。逃げて逃げて、だけど逃げきれなくて自暴自棄になって……レンに迷惑をかけて……」
静かに目を伏せる少女を、黒尽くめの女性は小さく微笑みながら見守った。
「でも、でもさ……それでもぶつからないといけないんだ。それでもぶつかって、何かを伝えないといけないと思うんだよ」
「その結果、もっと悪い結果になったとしても?彼から見放されるかもしれないとしても?」
「……止まっていたほうがもっと苦しいし、もっと辛いよ」
GGOで《それ》を経験してきたユウキはそれを淡々と伝える。
「そして、苦しいから、辛いからこそ、悪い方向に思考が行っちゃう。それを彼のせいにしちゃう。それはダメだよ、やっちゃダメだろう。彼が何かダメなことをする前に、自分がダメになるんだよ」
それは何より嫌じゃない?と優しく話を振ると、謎の少女もまた頷く。
それに嬉しげに笑いかけ、インプの少女は人差し指を立てた。
「足掻いて。藻掻いて。そうして真正面からぶつかった結果で初めて後悔して。それがどんな結果であっても、泣きわめいて、過去に戻りたくなるような結果になっても、いつかきっと前を向けるから」
ボクみたいにね、とはにかむように笑った少女を数秒見つめ、真っ白な髪の少女は一度黙祷するように目を瞑った。
そして。
「――――そう、それがあなたの答えなのね」
呟くように、囁くようにそう言った少女は、それ以上何も言わずに立ち上がり、幽鬼のような足取りで会場の彼方へと消えていく。
その後ろ姿を見送った二人は思
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