暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜白猫と黒蝶の即興曲〜
交わらない点:Point before#3
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醸し出すショットグラスを差し出すと、コンマで突き返された。半眼でこちらを睨む少女の視線を受け流し、黒尽くめの女店主は素知らぬ顔で突き返されたグラスを仰ぐ。
うん、ドブ川の泥水よりはマシな味だ。相変わらず。
しかしまったくのポーカーフェイスでその味を流し込みながら、イヨはちらりと代わりに出されたジョッキを傾けるインプの少女を横目で見た。
「――――それでユウキちゃん、こないだレン君と一緒に他のゲームに行ってたって聞いたけど、どう?何か進展合った??」
んごぐぶっッ!?という怪音とともに、麗らかな少女の鼻孔から勢いよくジュースが噴出した。
えずいたユウキはキッとこちらを睨みつけるが、その後だと効果も半減だ。黒尽くめの女性を数秒睨み続け、無駄だと分かった少女はため息交じりに口を開く。
「毎度毎度どこで聞いてくるんだか。……まぁ、あったと言えばあったし、なかったと言えばなかったかな」
頬杖をつき、どこか遠い目をする回想モードな思春期ちゃんに、しかしお姉さんは食いつくように身を乗り出した。
「あら?あらあらあら??含みがある言い方ねおばちゃん嬉しいわよ。まさかまさかそんなそんな、あなたの年齢でそれは進み過ぎよ自重しなさい。あ、でもアッチからだったら遠慮なく責任要求するのよ?そこを引いちゃったら不幸になるの一直線だから。ところで誰がおばちゃんじゃい!」
「言ったのイヨさんでしょ!?」
山の天気のようにテンションの切り替えが激しい変人に引きながら、今度はユウキの方から話題が上がる。
「……それにしても、よくこんな物件見つけたよね。年越しだからログイン人数は減ってるけど、こういう貸し会場みたいな場所って、クリスマスの時とかと同じくほとんど取り合いになってるんじゃないの?」
「んふふー、そうよー。カウントダウンパーティーなんか、それこそワンパーティーからギルド単位までやるからねー。会場なんてどーこも
予約
(
リザーブ
)
済みよ」
「ならどうして……」
頭上にハテナマークを転倒させるユウキの顔を堪能し、兎轉舎のお姉さんはニヤリと笑う。
「ま、情報屋さんに聞いただけなんだけどね。ここって実は、貸し出してないの。違う街にいるNPCさんから始まる、ちょっと長めなクエストの
経路
(
ルート
)
上で発生するイベントの舞台なのよ。そこで作られる
一時的
(
インスタンス
)
マップってワケ」
マップには基本的に、どんなプレイヤーでも入ることのできる
公共
(
パブリック
)
と、この館のような専用クエストやイベントを進めているプレイヤーにしか門戸を開かないインスタンスマップがある。例えば、誰にも開けられない開かずの間なんかがそれだ。
その場合、NPCなどから鍵を貰ってその中に入った時、同じくクエストを受けている他プレイヤ
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