4部分:第二話 神殿その一
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「今でもそうだよ」
何でも彼優等生らしいです。信じられないですけれど。
「ずっと」
「真面目ね」
「だって暇だし」
しっかりさっきとは矛盾することを言ってます。けれどそんなの気にしないです、彼は。
「先輩に会うまで」
「ほら、やっぱり嘘だったじゃない」
わかっていましたけれど。
「何で私なのよ」
「何でかな」
「迷惑していたんだから。止めて欲しかったわよ」
「俺はそうじゃないけれど」
勝手ですよね。すっごい自分勝手なんです、彼。だから困ってるんです。
「だから別にいいじゃない」
「ふざけないでよ。大体ねえ」
またキッと睨んで言います。
「私は新一君とは一緒に歩きたくも」
「あっ、着いたよ」
気付けばもう商店街を出ていました。目の前にすごく大きな和風の建物が見えます。そこが神殿なんです。
「主任先生ここにおられるから」
「わかったわ」
話を誤魔化されて何か不愉快ですけれどとにかくそっちに考えを移します。
「それで何処におられるの?」
階段をあがって神殿の構内に入ってお辞儀をします。それから新一君に尋ねます。
「主任先生は」
「さあ」
すっごい無責任な返事ですよね。本当にこんなのです、いつもいつも。
「何処かな」
「何処かなってちょっと」
また怒ってしまいました。だって呼んでるっていうから来たのに。
「何処であったのよ」
「西の礼拝場」
神殿は四つの礼拝場があります。東西南北です。他には『おやさま』と御呼びする教祖であられる中山みき様がおられる教祖殿と『みたまさま』、祖霊が祭られている祖霊殿があります。渡り廊下にお庭もあって本当に広い場所なんです。
「そこの入り口だったけれど」
「おられる?」
「いや、全然」
新一君は目をこらして見ます。彼は目はいいんです。目は。
「おられないみたい」
「何処か移られたのかしら」
「先輩わかる?」
「わかるわけないでしょ」
何で私に聞くんでしょう。本当にわかりません。
「私が聞きたいのに」
「いや、何か勘で」
「勘ってちょっと」
このいい加減さが。何処までこんなのなんでしょう、この子は。
「そんなのでわかるわけないでしょ」
「だって先輩ショートヘアだし」
「それがどう関係あるのよ」
かなりわからなくなってきました。彼の言っていることが。
「いやさ、髪がアンテナになって」
「それってあれでしょ」
はい、やっと言いたいことがわかりました。漫画の話だったんですね。
「ゲゲゲの鬼太郎よね」
「うん。わかる?」
「わからないわよ」
わかったら凄いです。人間じゃないですよね。
「そんな能力ないし」
「じゃあ何処におられるんだろ」
「とにかくここにおられるのよね」
それは念を押して聞きま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ