第5章:幽世と魔導師
第153話「神降しの敗北」
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いた。
最後に勝っていればいいのだから、途中は押されるのも戦術の範疇の場合がある。
そんな“戦術”において、僕は彼女に負けたのだ。
あの“終極”が決まらなかった時点で。
「っ……“霊魔、相乗”……!」
〈マスター……!っ……来ます!!〉
神降しで既に体に負担は掛かっている。その上で、全開の霊魔相乗を行う。
……守護者は、神降しした僕を見た時点で、あの状況に持って行くのを決めたのだろう。
そして、実際にその戦術は成功し、僕はこうして追い詰められている。
「(椿……)」
いくらユニゾンして、霊魔相乗もしているとはいえ、椿を守れる自信はない。
……いや、そもそも。
「ッ!?」
ギィイイイイン!!
「が、ぁっ……!?」
……神降しで互角だった相手に、どう勝利に“導く”んだ?
「っ、くそ……!」
シャルで受け止め、そして吹き飛ばされる。
取り残された椿を、咄嗟に型紙を使って傍に呼び寄せる。
「ぁあっ!!」
―――“Aigis”
キィイン!ギギィイイン!!
追撃の刀の一撃を、何とか防御魔法で防ぐ。
けど、即座に側面に回り込まれ、二撃をシャルで防ぐ羽目になる。
「っつ……!ぁあっ!!」
―――“?bel catastrophe”
“ドンッ!”と、弾かれるように僕は椿と共に後ろに吹き飛ぶ。
同時に、置き土産のように魔法陣を彼女の足元に展開、柱状に極光が迸る。
ちなみに、椿の体は魔法で保護しているため、負担が掛かるような事はない。
「これで……っ!?」
―――“速鳥-真髄-”
―――“扇技・神速-真髄-”
―――“斧技・瞬歩-真髄-”
―――“斧技・鬼神-真髄-”
「が、ぁあああああっ!!?」
それに反応したのは、本能だけだった。
思考が追いつく間もなく、魔法を躱した守護者は僕に肉迫。
脳が焼き切れる勢いの処理速度で武器や盾を創造。
葵もレイピアを生成し、それら全てを僕と彼女の間に滑り込ませる。
……無意味だった。
防御に使ったシャルは、壊れる事はなかった代わりに、大きく手から弾き飛ばされた。
盾代わりに割り込ませた武器などは、全てが打ち砕かれた。
そして、僕は背後の木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ばされた。
幸いと言えるのは、守護者の攻撃も、木々にぶつかる時も気絶した椿を庇えた事だろう。……尤も、その結果は……。
「っ、ぁ……」
「ぐ……ぅ……」
僕と葵の、戦闘不能だった。
ユニゾンを解ける
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