暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第153話「神降しの敗北」
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
動く。
 身体強化を速度に特化させ、振るう腕を止める。
 ちなみに、この速度特化だが、守護者を上回る速度と言えば聞こえはいいが、その分動きが単調になってしまう。だから、ずっと使う訳にはいかない。

「っ、ぁあっ!!」

     ギィイイン!!

 そして、無理矢理導標を奪取。
 即座に転移魔法で反撃を回避。葵の傍に現れる。
 そのまま反応して私に振るわれた刀を、導標で防ぐ。

「葵!」

「っ!」

 同時に、葵の手を取る。
 そして、転移。それも、短距離ではなく長距離。

「っ……!まさか、あそこまでのカウンターをしてくるなんて……!」

「迂闊だったよ……!あの極意をあそこまで極めるなんて……!」

 あのカウンター技自体は、葵から聞いた事がある。
 何せ、“刹那”に似ているからね。
 ……でも、その“巧さ”が段違いだった。だから、手痛い反撃を喰らった。

「……腕は大丈夫?」

「繋がってはいるわ。でも、痛みが治まらない」

「そっか……」

 神殺しの性質か、それとも瘴気に若干侵されたからか。
 どちらにしても、未だに腕が痛む。
 それに、導標も瘴気に若干侵されている。
 これではまともに打ち合う事も厳しいかもしれない。

「……向こうだってダメージは受けてる。このまま二人でやれば、勝てない事もない」

「……うん」

 一見、私がカウンターで大ダメージを受けたように見える。
 だけど、傷自体は向こうの方が多い。
 回復手段があるとは言え、ダメージによる疲労は治せない。
 ……このまま、押し切ればこちらの勝ちだ。

「役割はさっきまでと同じ。でも、同じ行動ばかりはダメ」

「分かってるよ」

 同じ動きばかりでは、絶対に対処されてしまう。
 常に動きを変えなければ、倒しきれないだろう。

「(逃げられる前に倒さないと、被害が増えるわね)」

 大門の守護者……つまり妖と化しているとはいえ、霊力に惹かれるとは限らない。
 何せ、守護する門から離れてでもどこかへ向かおうとしていたのだ。

 ……いや、瀬笈葉月の話と(椿)の記憶から、どこへ向かおうとしていたのかは分かる。
 逢魔時退魔学園。(椿)と葵、そしてとこよがかつていた学園。
 あそこには、様々な思い出がある。
 そこへ、彼女は向かおうとしたのだろう。……もう、跡地すらないのに。

「(……結界で隔離……ね)」

 そうするべきだろう。
 結界の破壊に動かれたら、いとも容易く破られてしまうだろう。
 それでも、戦闘の余波による被害は抑えられる。
 先ほどまでは戦闘中で張る余裕がなかったけど、今なら。

「行くわよ」

「うん」

 どこにいる
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ