暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第153話「神降しの敗北」
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       =優輝side=













「――――――え?」







   ―――……一瞬、状況を理解し損ねた。









「か、はっ……!?」

 口から血が吐き出される。
 視界には、刀を振り切り、掌を突き出した守護者の姿。

 ……そして、宙を舞う私の左腕が映っていた。

「(そん、な……)」

 予想はしていた。想定はしていた。
 ……ただ、それを上回る“巧さ”だっただけの事。

「ッッ―――!!」

 木々を薙ぎ倒しながら、私は吹き飛ばされた勢いを殺す。
 何があったかなど、もう理解は出来ていた。

   ―――“刀極意・先々(せんせん)(さき)

「(カウンター……それも、“刹那”レベルの……!)」

 そう。私の“終極”が、無効化された上に痛烈なカウンターを返されたのだ。
 それこそ、導王流の奥義の一つである“刹那”と同等の強さを誇る業で。

「かふっ……!」

 もちろん、守護者の方も無事ではなかった。
 拘束する直前のあの一撃が効いていたらしく、吐血していた。
 また、四肢も一度貫いたのだ。その傷もある。

「っ……!」

 愕然としている暇はない。
 即座に葵にアイコンタクトを送り、同時に長細い大きな針を創造。
 その針を斬り飛ばされた腕に射出して刺し、こっちへ持ってくる。

「はぁああっ!!」

「っ……!」

 腕を繋げるまでの間、葵に時間を稼いでもらう。
 本来なら、葵では時間を稼ぐ間もなく押し切られてしまうだろう。
 だけど、今は四肢に傷を負い、さらに私の導標も操って動きを妨害している。
 これなら、繋げるぐらいの時間は稼げる……!

「(掴まれた!でも……!)」

 右手で左手をキャッチ。そのまま断面をくっつける。同時に針は消しておく。
 そして、神力で無理矢理治す。
 血管や神経なども、神力なら繋がるように治してくれるからね。
 それに、どうやら瘴気に若干侵されていたようで、それも浄化してくれた。

「っ!」

   ―――“撃”

 既に、妨害に使っていた導標は守護者の手に掴まれてしまった。
 ……当然だ。妨害するとはいえ、飛び回る程度の武器を、掴めないはずがない。例え、葵が攻撃しながらでも、容易いだろう。
 だから、すぐに手放すように、導標を持つ手に向けて衝撃波を放った。
 同時に短距離転移を使う。

「はぁっ!」

「シッ!!」

   ―――“呪黒剣”

 即座に葵が呪黒剣を発動。咄嗟にその場を動かないように周囲に展開する。
 そして、自前の刀と導標を振るわれる前に私は
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