ユニバースワン
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「ごはぁっ!!」
ティオスの絶対零度により吹き飛ばされるスティング。強烈な一撃を受けた青年。だが、彼の体を貫くほどの威力はなかった。
「ぐっ・・・」
スティングを殺しに行ったはずのティオスがその場にうずくまる。プルプルと震えている彼を見て、ローグがスティングへと駆け寄る。
「スティング!!大丈夫か!?」
口元へと耳を近づける。幸い呼吸はしているものの、彼は今の一撃で気を失ってしまっているようだ。
「まだ永遠の悪夢の作用が残ってたのか・・・仕留め損なった・・・」
ティオスの絶対零度が本来の威力を発揮しなかった理由、それはグラシアンが命を賭けて使った魔法が影響していた。
ティオスを道連れにすることはできなかったが、彼のその魔法の作用がわずかながらに残っていたことがあり、ティオスは本来の力を出し切れず、スティングを殺すことができなかったのだ。
「スティングくん!!」
「ローグ!!」
「グラシアン!!」
その時空を飛んでやってくる三つの小さな影。それは彼らの相棒であるエクシードたちだった。
「フロッシュ!!来てくれたのか!?」
駆け付けてくれた友を見て思わず笑顔が溢れる。飛んできた3匹はその光景を見て、言葉を失っていた。
「スティングくん!!大丈夫ですか!?」
「グラシアン!!どうしたの!?」
スティングを揺さぶるレクターとグラシアンを揺さぶるキセキ。スティングは辛うじて一命を取り止めているためすぐにレクターは安堵の表情を浮かべたが、キセキは涙を流しながら大切な友を揺さぶり続ける。
「フロッシュ、ギルダーツを連れて逃げてくれ」
「ギルダーツ?」
不意に話しかけられたことで首を傾げるフロッシュ。ローグは横たわっている髭面の男を指指すと、フロッシュは頷いて彼を持ち上げる。
「ローグくんはどうするんですか!?」
「俺はここで足止めする。大丈夫だ、すぐに追い付く」
気を失っているスティングとギルダーツ、そしてもう冷たくなってしまったグラシアンを持ち上げて3匹は強大な敵の前に立ちはだかる仲間の背を見ながらハイスピードで撤退していく。
「チッ・・・運が悪いな」
飛んでいくエクシードたちを見て悔しそうにしているティオス。ローグは彼に向き合うと、魔力を高めていく。
「ここは絶対に通さないぞ」
命を賭けてくれた友に報いるためにも引くわけにはいかない。そんな決意が滲み出ているローグだったが、ティオスは残念そうにタメ息を付いた。
「悪いがローグ、俺はお前を殺さないぞ?まだな」
「なんだと?」
意味深な言葉を並べて笑みを浮かべるティオス。だが、それから数分後、彼の表情は一変することになること
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