38部分:第六話 レポートその七
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使ってるんだけれど」
「そうかな」
新一君は全然自覚ないみたいです。
「気のせいでしょ」
「気のせいじゃないわよ」
そう新一君にも言い返します。
「実際にソフトクリームとかラーメンとかそのパンケーキとか」
「そういえばそうかな」
「新一君と一緒にいるせいよ」
憮然とした顔をして言ってあげました。
「どういうことよ、これ」
「気にしない気にしない」
「まあいいけれどね。けれど花の十九歳が」
また溜息が出ます。新一君を見ているとどうにも。
「こうして何か訳のわからない子といつも一緒で。何やってるんだろ」
「何か嫌?」
「別に嫌じゃないけれど」
だからじっと見詰めないの。そういう目で見られたら困るっていうか。急に子犬みたいな目になって。こうした目にたまになるんです。ああ、弱った。
「それでもよ。節度をね」
「じゃあいいんだよね、僕が側にいても」
「ええ」
仕方なくそう答えてあげました。
「ただ、節度は守ってね」
「うん」
とても嬉しそうに頷きます。
「そういうことなら」
「全く。本当に困った子なんだから」
これも何回思ったことやら。二人の妹よりもずっと手間がかかるなんて思いませんでした。男の子て手間がかかるって聞いていましたけれど。
「じゃあ後でパンケーキね」
「うん」
そう話を決めてレポートの勉強を終わらせました。それから食堂でパンケーキを食べてその日は詰所に帰ることになりました。帰り道も新一君と一緒です。
「これで今日は終わりなんだね」
「ええ、そうよ」
彼に答えます。
「後は詰所でレポート書くだけだけれど」
「あそこで書けるの?」
「書けるわよ」
何か変なことを言うなと思いましたけれど答えました。
「ちゃんと」
「そうだったんだ」
「そうよ。そこは安心して」
そう彼に言ってあげます。
「いつもそうしてるし」
「そういえばさ」
ここで新一君は私に尋ねてきました。
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