異伝〜終焉に諍う英雄達の来訪〜第6話
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ティナがジト目になっている中静かな表情で指摘したクルトは戸惑いの表情で考え込んだ。
「ユーディット皇妃にはゼムリア大陸側の”尊き血”――――それも”皇族に次ぐ尊き血”が流れているから、皇族や貴族の旗印も無しに”成りあがり”で建国したクロスベル帝国の正当性を証明する為にユーディット皇妃の子供を跡継ぎにするらしいわ。」
「”皇族に次ぐ尊き血”、ですか。……ちなみにそのユーディット皇妃という人物はどちらの上流階級の出身なのでしょうか?ゼムリア大陸出身で、それも”皇族に次ぐ尊き血”を引く上流階級となると相当限られますが……」
エオリアの説明を聞いてある事が気になったミュゼは真剣な表情で訊ねた。
「それがねぇ………そのユーディット皇妃の父親は貴族連合軍の”主宰”―――つまりトップだったクロワール・ド・カイエン元公爵なんだ。」
「へ…………」
「な―――――――カイエン公の……!?」
「……?確かカイエン公は未婚で、養子も存在しなかったはずですが……」
「………”並行世界”ですから、カイエン公の家庭事情も私達の世界とは異なるのでしょうね。…………確かに皇族や貴族―――”尊き血”を引く人物も無しに”国”―――それも”帝国”を建国したクロスベルに”四大名門”―――それも、かつての”獅子戦役”でドライケルス大帝に敗北した”偽帝”オルトロスの子孫であるカイエン公爵家の血が入れば、”帝国としての正当性”を証明しやすいでしょうね。ちなみにそのユーディット皇妃という人物はどのような―――」
リンの話を聞いたユウナ達が様々な反応を見せている中ミュゼが静かな表情で答えた後ある事を訊ねようとしたその時、通信機が鳴り始めた。
「あら、もしかしてもう確認が終わったのかしら?……こちら、遊撃士協会・クロスベル支部よ。………ええ……ええ、わかったわ。ただ、事情の説明の為にもアタシの他にも詳しい事情を知っている4人が同行して”黄金の戦王”と面会してもらう必要があるんだけど………ええ……ええ……わかったわ、お願いね。今、エリィお嬢ちゃんから連絡があったわ。今から”黄金の戦王”との面会が可能だとの事だから、並行世界の新Z組のアナタ達はアタシと一緒に同行してもらえるかしら?」
「へ………も、もしかして今からあたし達もミシェルさんと一緒にクロスベル皇帝の一人に会って、あたし達の事情を説明するんですか!?」
通信を終えたミシェルの自分達に対する要請を聞いたユウナは驚きの表情で訊ねた。
「当たり前よ。今後の未来の大事件をアタシ達が既に掴んでいるなんてこと、普通に考えれば誰も信じないでしょうけど”未来で起こった大事件を実際に体験してきた本人達”をその目にすれば、誰だって信じるでしょう?」
「まあ、正論ではありま
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