第二十二幕:ふたつの虹を宿した少女
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」
凪咲「七夏、もしかしたら・・・1/500の確率・・・」
直弥「凪咲・・・そうだとしても、七夏は僕たちの大切な・・・」
凪咲「分かってるわ。分かってるけど・・・こんな特別なんて・・・」
直弥「その特別も含めての大切な七夏・・・じゃないのか?」
凪咲「・・・・・」
直弥「しっかり頼むよ! 七夏の特性をしっかり支えてあげられるのは、凪咲だけなのかも知れないから・・・そんな凪咲がちょっと羨ましい」
凪咲「・・・・・あなた・・・・・ありがとう・・・」
直弥「俺も凪咲にはできない事で、七夏をしっかり支えてゆくつもりだから、その事に関しては負けないよ!」
凪咲「・・・はい! ちょっと七夏の顔を見てきます」
直弥「ああ」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
七夏「・・・・・」
凪咲さんと直弥さんは、眠っている七夏ちゃんの手を優しく包んであげる。
七夏「んん・・・。お・・・とうさん、おかあさん・・・」
七夏ちゃんが目を覚ます。
凪咲「七夏、ありがとう」
七夏「え!?」
凪咲「おかあさんね。少し大袈裟に泣き過ぎだったみたい」
凪咲さんは、七夏ちゃんの頭を優しく撫でる。
七夏「あっ、くすっ☆」
凪咲「この絵、貰ってもいいかな?」
七夏「はい☆ でも、ちょっと、お父さんの顔が、くしゃくしゃ・・・」
直弥「七夏が、絵を握り締めていたからだな」
七夏「うぅ・・・ごめんなさい」
凪咲「いいわよ、この方がさっきよりも男前さんになったと思うわ! ねっ? あなた?」
直弥「う・・・。そ、そうなのか!?」
凪咲「ありがとう。七夏、大切にするわ!」
七夏「えっと・・・はい♪」
−−−−−−−−−−−−−−−−
時崎「それで、この絵は、くしゃくしゃだったんですか・・・」
凪咲「そうね。でも七夏の大切な想いが込められてますから」
時崎「はい! そう思います!」
俺は、七夏ちゃんの目の特性が少し個性的である事を、なんとなく分かっていた。赤緑型色弱とは少し異なる特性のようだが、いずれにしても、七夏ちゃんが持って生まれた個性だ。七夏ちゃんがその特性を負い目に思ってしまわないよう、凪咲さんと直弥さんは配慮されている・・・というよりも、普通の事として認識している。俺は七夏ちゃんの力になれるかと思い、赤緑型色弱について、少し調べていた。これは知っておく方が良いのか、知らない方が良いのか・・・。それとも、知っていて知らない事にするのが良いのか・・・いや、しっかりと知った上で、自然に接する事が大切なのだと思う。それは、凪咲さんと直弥さんが、七夏ちゃんにそうしているのが答えだと思う。俺は、それに加えて、七夏ちゃんが、もっと喜んでくれる事を考えるべきだと思った。
凪咲「虹の色は七色って言うでしょ?」
時崎「
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