第二十二幕:ふたつの虹を宿した少女
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うので、大切な思い出のアルバムには、現像された写真の方が適している。俺は、新たに追加でプリント依頼を行った。「セブンリーフの写真立て」が目に留まる。
<<七夏「やっぱり、セブンリーフです! 写真立ては、初めて見ました!」>>
この写真立てのおかげで、今、七夏ちゃんが現像された写真を手にしている事になる。改めて「セブンリーフの写真立て」に感謝する。そう言えば七夏ちゃん、この写真立てに入れる写真、見つかったのだろうか? セブンリーフの写真立てに、七夏ちゃんの写真を重ねてみる・・・とてもよく似合っている。似合っているんだけど、俺にとってこれは真実ではあるが「写真」とは言えない。その理由は、七夏ちゃんの瞳・・・「ふたつの虹」が違って見えるから。なんとか「写真」として、七夏ちゃんの「ふたつの虹」を表現できないだろうか。
虹の本・・・写真集が書店にあったな。この前は売り切れていた為か見つからなかったけど、あの時、高月さんがナンパされる一件があって、結局、書店に虹の写真集の事については問い合わせていないままだ。書店へと移動する。虹の写真集が置いてあった場所へ向かうと−−−
時崎「おっ! あった!」
前は見つけられなかったけど、今日は虹の写真集が置いてあった・・・と言っても、厳密には「再会」ではないのだろうけど。改めてこの写真集を眺める。思っている以上に色鮮やかで綺麗な虹と副虹がその世界には在った。こんな風に七夏ちゃんの「ふたつの虹」が撮影できたらなと思ってしまう。しばらく虹の写真集を眺めていると、すぐ隣で何かが動く。視線を移すと、幼い女の子が絵本を見ているようだ。視線を虹の写真集に戻しかけた時、その女の子の絵本に再び視線を持ってゆかれた。その絵本はいわゆる「とびだす絵本」で、本を広げると立体的に見える仕掛けが施されていた。その本から「とびだす立体」が思っている以上に豪華で驚く。女の子はお母さんに呼ばれたようで、絵本をその場に置いて立ち去った。俺はその「とびだす絵本」を手にとって見る。絵本のページを進めると次々と、想像よりも一回り大きな驚きがあった。
時崎「今の『とびだす絵本』は、こんなに凄いのか!」
俺の知っている「とびだす絵本」よりも、かなりとびだしてくるその世界を眺めていると、七夏ちゃんの写真集にも、この絵本のような驚きがほしいなと思うようになってきた。七夏ちゃんに喜んでもらうひとつの方法が見えたようで、嬉しくなる。七夏ちゃんへのアルバムにこの「とびだす絵本」のような驚きを加えたい。俺は「とびだす絵本」を購入して、早速、アルバム制作用の材料を探しに雑貨屋へ移動した。
雑貨屋でアルバム制作に使えそうな材料を探す。「とびだす絵本」を作る場合、ハサミやカッター、糊といった基本的な工作用具・・・まあ、これは七夏ちゃんに聞けば貸し
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