第二十二幕:ふたつの虹を宿した少女
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夢・・・眠っている時に見る幻覚体験。そして、自分が思い描き、そうなりたいと願う未来・・・もうひとつ、現実的でない考えや空想も夢と言う事がある。昨日、七夏ちゃんのお父さん、直弥さんは夢を追いかけ続けている事、そして七夏ちゃんや凪咲さんも直弥さんを応援している事が分かった。俺も夢と言うと大袈裟だが、目標をしっかりと持つべきだと思う反面、七夏ちゃんはのんびり屋さんの傾向なので、結論を急ぐような行動も考え物だとも思ってしまう。
蝉の声が早朝を告げる・・・すっかり聞き慣れてしまった為か、蝉の目覚まし効果が薄れてきた気がする。慣れてしまうという事は、ある意味、ちょっとした事に気付けなくなってしまうという事でもある。民宿風水での生活に慣れてしまい過ぎないように意識しなおしたい。俺は七夏ちゃんが起こしに来てくれるよりも前に起きる。
七夏「あ、柚樹さん☆ おはようございます☆」
時崎「おはよう! 七夏ちゃん! あれ?」
今日の七夏ちゃんは、久々に見る制服姿だった。そう言えば初めて出逢った時も制服姿だった。色々と当時の事が甦る。
七夏「くすっ☆」
時崎「今日は、制服なんだね」
七夏「はい☆ 登校日です☆」
時崎「なるほど」
七夏「朝食、もう少し待っててくださいね☆」
時崎「ありがとう」
顔を洗って、居間へと移動する。
凪咲「おはようございます」
直弥「おはよう! 時崎君!」
時崎「おはようございます!」
今日は、七夏ちゃんのお父さん、直弥さんも居るので少し緊張してしまう。直弥さんはこれからお仕事へ出かけるみたいだ。
凪咲「あなた、今日は早く帰れるのかしら?」
直弥「すまない。少し遅くなると思うよ」
凪咲「そうなの・・・はい。お気をつけて!」
七夏「お父さん、いってらっしゃい☆」
直弥「ありがとう」
七夏ちゃんも姿を見せた。制服の上に着たエプロン姿が可愛い。
七夏「??? 柚樹さん?」
時崎「え!? ああ、ごめん」
七夏「くすっ☆ 朝食どうぞです☆」
時崎「ありがとう! 七夏ちゃん!」
七夏ちゃんと一緒に朝食を頂く。いつもはのんびりしている七夏ちゃんが、今日はどことなく急いでいる様子で、少し身動きが機敏な感じがする。今の七夏ちゃんが普段の七夏ちゃんの姿なのだとすると、俺は七夏ちゃんの事をまだまだ分かっていない事になる。俺も七夏ちゃんに合わせて少し急ぐ。
七夏「柚樹さん!? どおしたのですか?」
時崎「え!?」
七夏「えっと、いつもより少し慌ててるみたいです」
俺のちょっとした変化に七夏ちゃんはすぐに気付いた。人を良く見ているという点においては七夏ちゃんの方が上だ。民宿育ちという事で、今までも色々な人を見てきているからだろうか。
時崎「
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