第七章 C.D.の計略
奪われたモノ
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ろう。
「あーあ。納得。しかし悔しいなぁ・・・・」
「何がだ」
「踊らされてたあたしに」
一応まだ縛られている状態だが、どうやら戦意はなくなっている様子のレイカ。
今までの気持ちは一体何だったのかと、虚無感すら出てきたところだ。
「しかし誤解が解けて良かった」
「まあ確かに仇かどうかと言われれば確かにそうなんだけどな・・・」
「んなこと言ったらおじいちゃんだって・・・あぁ、なんでそんなこと・・・」
「おじいさんのことを君が後悔する必要はない。むしろ、許せないのならビンタの一発でもしてやればいい。けんz」
「橘さんに」
「橘さんに」
「橘にだ」
「何故だ!?」
ともあれ、久遠レイカはすでに敵とはならない。
のであれば不当な拘束は必要ない。
そう思い、縄を解こうと近づく睦月。
「でも、どこでそのバックルもらったんです?」
「え?これ?これは―――――」
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おいおい、説得されてんじゃないよ
何だよ
その復讐心使えると思ったんだけどな・・・
だがまあいいさ。
こうなったらなったで手は一応あるんだ。
ひとまずは、その力の出どころゲロっちまう前に・・・・
「嬢ちゃん、それはちょっと――――」
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「え?なによ」
「ん?」
縄をほどこうと後ろに回った睦月。
その彼が耳にしたのは、彼女のつぶやき。
変身バックルはどこでもらったのか
この問いの返答かと思ったが、何か様子がおかしい。
彼女の目は誰かを捉えているかのようだったが、その前には誰もいない。
彼女の耳は何かを聞いているかのようだったが、語り掛けている者はいない。
「ちょっとなによ、なんなのよ・・・その記憶、私は知らない・・・何よこれ、なにすんのよ!!!」
「うわっ!?」
ブォン!!と、彼女が大きく身体を振り、その足が危うく睦月を蹴り飛ばしそうになる。
突如として暴れ始める久遠レイカ。
今まで体を縛っていた縄だったが、ブチリと引きちぎって唸り声を上げている。
突然の変貌に、驚きを隠せないまま暴れる彼女から一歩下がる四人。
「なんだ?」
「おい、どうしたんだ!!」
「が・・・ぁ・・・・知らない、この、記憶・・・おじいちゃん・・・・死んだ・・・殺された・・・なんで・・・」
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