第七章 C.D.の計略
奪われたモノ
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にして、ハートのキングマンティスアンデッドの力を使う始。
苦戦はしたとしても、今回のクイーンは敗北するような敵ではない。
事実、先の戦闘でも感情の昂ぶりによる一瞬の力には驚かされたが、後はいたって優位だったのだから。
問題は
「彼女にどうやって説明するかだよなぁ」
そんなことを話しながら、四人はあるところに向かっていた。
旧BOARD本部。
アンデッドが解放された時、壊滅したBOARDの跡地だ。
とはいえ、今ではすべての機材もデータも「EARTH」で回収され、建物の外観のみを残すだけである。
では、なぜ彼らはここに来たのか。
答えは単純。
彼女が来そうなところがここくらいしか思いつかなかったからだ。
元の天王路の家はすでに売られて別の建物が建っている。
そもそも人間という身体を捨ててバトルファイトに身を投じようとした男だ。それくらいの身辺整理はしていたのだろう。
そして、彼女のことも何も知らない。
天王路の孫娘、名前は久遠レイナ。
両親はすでに交通事故で他界。
彼女は天王路に育てられてたというわけだ。
人類に牙を剥くようなことをしていた天王路だが、それでも育ての親ならば懐かれもしたのだろう。
当然、四人は彼女の素性も知らべている。
だが、経歴はわかっても今の住所だとかそういったものは一切残っていなかった。
「まるで魔法みたいだな」
「え」
「こういうのは、現在だとかの情報を抹消したとしてもある程度は追えるものなのだが」
「誰か協力者がいるんですかね?」
「わからん。まあ聞いてみればいいさ」
と、このように彼女の居間については全くの謎なのだ。
だからこそ、こうして今彼らは彼女とかかわりのありそうで、自分たちの知っている場所に来ている。
それが、この元BOARD跡地だ。
「にしても、この土地って誰も買わないんですかね?」
「元はアンデッド研究施設。そう簡単に廃棄できないものもあるあらな」
「そもそも人がたくさん死んでますから・・・事故物件とかになるんじゃないですかね・・・・」
「なぜ人が死ぬと事故物件なんだ。人は死んだらそれまでだろう」
「いや始、怖いだろ。化けて出てきたら」
「化ける?・・・・ああ、幽霊だのなんだのってことか」
「そうそう」
「あいにくと俺はお前らとは感性が違う。そんなもので一々気にはしない」
施設内を進みながら・・・というよりは、散歩気味に見て回っているだけだが。
彼らはそんな会話に興じている。
「いや、生き物は死んだら魂だとかになって、残った感情が悪いものだと悪霊とか地縛霊とかにだな」
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