猫娘と入学編
NO.010 爆豪との戦い、新たな個性
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居場所なんてすぐにわかっていたよ」
「てめぇ……」
もうすでに爆豪の目には出久しか映り込んでいなかった。
それを見越して、
「麗日さん、行って!!」
「うん。待ってるねデクちゃん!」
お茶子はそれで上の階へと進む道を上っていった。
「よそ見とは余裕だな、デクゥ!!」
「そんな事はないよかっちゃん。でも……」
出久は爪を伸ばして硬質化させて構える。
「言っておくよ、かっちゃん。僕はもう『雑魚で出来損ないのデク』じゃない! 『頑張れって感じのデク』なんだ!」
「そうかよ……。それになんだぁその爪は……? それも個性ってか? ふざけてるぜ。むかつくなぁ! デクのくせして!! ぶち倒す!!」
こうして爆豪は出久へと爆速で突っ込んでいった。
だけどその時、出久は妙な違和感を覚えていた。
「(かっちゃんの動きが、遅い……?)」
そんなまさか、と出久は感じていたがそれは当然のことであった。
猫の個性が発動した事によって瞬発力、反応速度が底上げされている為に、本来爆豪だけが得意とする『見てから動ける』を出久も知らず知らずのうちに会得していたのだ。
さらには個性が発動してからというものの体を鍛えるという事はやってきたものの、オールマイトは敢えて対人戦の経験を積ませなかった。
それが帰結して今の出久の違和感の正体に繋がる事になった。
となれば話は早く。
爆豪が大振りの右手の大振りを振ろうとした時には、出久はすでに爆豪の背後に移動していてきついパンチをお見舞いしていた。
「ぐおっ!?」
しっかりと調整されているワン・フォー・オールのためにしっかりとダメージは通っていて爆豪は思わずもんどりを打つ。
しかしなんとか片足で踏ん張る爆豪は出久に憎しみのこもった視線を浴びせながら、
「そうかよ……てめぇがそこまで強くなってんならもう手加減は不要だよな?」
そう言って爆豪はまるで手榴弾のような籠手を出久に向けて構える。
出久は何が来るのか警戒しながら見ていたが、観察していたオールマイトは使用法を知っていたために思わず叫んだ。
『爆豪少年! それは今は使ってはいけない!』
「うるせぇ! 当たんなきゃ死なねぇだろ!」
そうして籠手についているピンを抜こうとしたのを確認した出久は、悪寒が走って逃げ場を探したが一直線の道で防ぎようがない事を悟って、また例のスローモーションの感覚に陥る。
「(どうする!? きっとあれは遠距離用の武器だ! あれを防ぐためには!)」
『イズク、空気をめい一杯吸い込んで!』
「え!?」
『いいから早く!』
出久は条件反射のように息を吸い込んだ。
『大きく叫んで! 猫のように!!』
「にゃあああああああああーーーーーー
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