暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
葛藤-コンフリクト-
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さっきから何度も触手から走って逃げた。だがこの触手はどれほど全力で走っても簡単に追いついて来る。そして…地面から再び這い出てきた触手は、偶然にもちょうど真上にいたティファニアを襲った。
「あぐ…!!」
跳ね上げられたティファニアは宙を舞い、草の上に落下した。
「お姉ちゃん!」「テファ姉ちゃん!!」
3人の子供たちは、さすがに姉と慕う少女の危機を目の当たりにして、その時だけ恐怖を忘れて彼女の元へ駆け寄った。
「うぅ…」
「お姉ちゃん、足が!!」
「だ、大丈夫…大丈夫だから」
触手の地面からの攻撃を受けた際は地面から押し上げられるだけだったが、攻撃と落下の拍子にティファニアは足に酷い傷を負ってしまい、血が彼女の白い足を赤く染め上げていた。
彼女自身、もう体力も限界で子供たちを少しでも安心させようと抱きしめるだけで精一杯だった。子供たちを先に逃がすことも考えたが、そんな隙もなかった。
(こういう時に、『あの人』が来てくれたら…『あの時』のように…)
無我夢中でティファニアは心の中で、とにかく助けを求めた。
来たところで助かるのかも、来るかどうかなんてわからない誰かの助けを。
(…え?…あの人?あの人って…誰?マチルダ姉さん、それともアス…)

その助けは、彼女の願いに応えるように現れた。

到着したバイクから降りたシュウは、ヘルメットを捨てて、ティファニアたちを食らおうとする触手を見上げた。
「バグバズンか………ッ、またか」
また同じようなことがその身に起きた。見たこともない怪物なのに、なぜかその名前が口から漏れ出た。さっき自分の頭の中に浮かんだ、今この場で命の危機にさらされているティファニアたちのヴィジョンのように、アンリエッタの言っていた巨人の力とやらが自分の身に宿っているからなのか?
考えている間に、触手はもう十分弄んだとばかりに、今度は絶対に外すまいとその身を振り下ろした。
死を覚悟してさらに力強く子供たちを抱きしめるティファニア。
「!」
させるか!!シュウはすぐに白い短剣、エボルトラスターを鞘から引き抜いた。
赤い光が刀身からあふれ出て、自分の身を包んだ。
この感覚だ…自分の中から無限とも感じられる力が溢れ出てくる。そうだ、愛梨と共に下校した際に初めてビーストに襲われた時…この感覚に身をゆだねると同時に、巨人に変身した。そして巨大になったその拳で、ペドレオンを地面に圧し潰した。
(そうか、あの会長たちの言っていた通りだったということか)
ようやくシュウは、初めて変身したときの記憶が戻った。
それは一瞬のことだった。巨人へ変身した彼は、ティファニアを襲おうとした触手を、彼女たちに届く前に引っ掴んだ。
「ギギギギギ!!」
地面の下に潜むビースト…『インセクトタイプビースト・バグバズン』の不快を露
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