葛藤-コンフリクト-
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作った食材をレストランで使っていたりする。思えば、結構自分の家はそれなりに富んでいるかもしれない。
「かもしれないわね。もう慣れたけど、若い頃からどこか抜けてるところあるのよね。特に女性絡みでね。あなたと同じね、変なところばかり似ちゃうのかしら」
「…」
言い返したい気持ちがあるのに反論できない。
父は確かに、若いころに悪い女に何度かそそのかされたことがあるとかいうが…養子とはいえ、親の変な部分が受け継がれてしまったことに、サイトはちょっと自分が情けなく、そして軽く父を恨みたくなった。
「町で知らない女性に話しかけられても騙されちゃダメよ?あんたも女の子に弱いんだから」
「へいへい」
アンヌのその言葉を背に受け、サイトは買い出しに向かった。
バイクで夜の街を走りながら、シュウはすぐにヴィジョンの中で見た場所へと向かう。
「くそ…ティファニアの奴、何度も襲われやがって………ッ?」
走っている時、不意にまた違和感のある言い方をした。何度も襲われた?また妙なことを口走ってしまった。ティファニアのことを知ったのはつい先日の事ではないか。まるで前から知っていたような自分の口ぶり。妄想癖でもあるのだろうかと、自分でも認めたくない何かがあるのかと疑惑してしまう。
こんなこと考えている場合じゃない。彼はとにかくバイクを走らせた。不思議なことに、かなり飛ばしていたはずなのに、あっという間にその場所へと彼はたどり着いた。
ヴィジョンで見たとおりだった。
人通りの少ない、建物も都市部の中で少なく小さいエリア。街頭も少ないため周囲は夜の闇が覆い始め、暗くなっていた。近くに公園があるが…事件はそこで起こっていた。
「さて、と…」
買出しも一通り終わったころには、もう太陽も沈みきった夜となっていた。暗い帰路をたどりながら、サイトは自宅へと戻っていく。その際、彼は歩道橋から、遠くに見える町の公園を見下ろした。幼いころ、シエスタと一緒になって遊んでいた公園だ。
「…うーん」
だが、その記憶にサイトは違和感があった。シエスタとは本当に幼馴染だっただろうか。最近になって疑問が湧いていた。彼女通さない頃から遊んだり世話してもらった記憶はあるのに、それが本当なのか疑惑している。
ま、深く考えても仕方ないよな。そんなことより
サイトは適当に、沸き上がった疑念を捨てて家へと向かう。
しかし、その時だった。公園の方から何かが爆発したような音が聞こえた。
「な、なんだ!!?」
突然の爆音にサイトは驚いた。今の音は一体?気になったサイトは衝動に駆られるように公園へと向かった。
向かう最中、サイトは公園の方角を見ながら考える。さっきの音はなんだろう。花火が爆破したなんてものでもない。一体何があった?警察にでも連絡を入れるべきか?そう
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