暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
葛藤-コンフリクト-
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ことに対する恐れのようなものが自分の中にあった。
…やめよう。そろそろ違うことを考えた方がいい。どうせ答えなんて見つけられやしない。
首を振って頭の中の靄を振り払うシュウは、楽屋の玄関の方に目をやる。
(…にしても、憐の奴遅いな。買出しに出ていたのか?それとも勝手に遊具の点検でもしてるのか?)
憐とはここで一緒に暮らしている間柄だ。一緒の高校に通い合っている身でありながら、たまにこうして互いに別々の時間を過ごすこともある。
メールでも打って連絡を取ってみようと思った…そのときだった。
「ん?」
白い短剣『エボルトラスター』の、さっきまでまったく明滅していなかったランプが、点滅し始めていた。ドクン、ドクン、と心臓の鼓動音のような音も聞こえる。
それに伴って、シュウの頭の中に、とある光景が流れ込んできた。

ヴィジョンの中の景色は、夜。それも人通りの少ない裏道。
おぞましい怪物の鳴き声が聞こえる。嫌な鳴き声だ。獲物を見つけて歓喜にうち震えているのを感じる。そして楽しんでいる。その獲物の恐怖を、ひたすら煽り続けている。
地の底から生える触手、それに襲われているのは…数人単位の子供たちと…

先日出会った、一学年下の後輩に当たるティファニアだった。

「ッ!」
彼女の顔と子供たちをヴィジョンの中に見た瞬間、シュウは無意識のうちに体を起こして楽屋を飛び出していた。
無我夢中だった。自分でもどうして、ここまで衝動的になれたのか不思議だった。本能のように、彼はバイクにまたいで街の方へ繰り出した。
「ふぅ…買い出し終了!シュウ、晩飯買ってきたぞ…って、あれ?」
買い物袋を大量に持った憐が戻ってきたのは、シュウが楽屋を出てからしばらく時間が経ってからだった。





放課後、サイトは家に戻ってきた。彼の両親はハワイアンレストランを営んでいて、彼もたまに店の手伝いを任されることがある。家はその近くに建っている。
が、サイトは自分の家に対して違和感を覚えた。
(ここ…俺の家だよな?)
なんか違う気がした。もっと自分の家はこう…特に店とか小さな病院とか、そんな特別な感じはまったくないごく普通の家だったような…。
…いや、気のせいだよな。何を考えていたのだろう、自分に対して呆れ笑いを浮かべるサイトは玄関から家の中に入った。
「ふぅ…ただいま〜」
「あら、お帰りサイト。今日は遅刻しないで済んだ?」
台所の方から母の声が聞こえてきた。
「…」
「今日もダメだったみたいね」
諸星アンヌ。実の両親が亡くなり、引き取り手もなかったサイトを、夫と共に養子として引き取ってくれた女性だ。
「疲れてるみたいね。例の転校生の子とまた揉めたのかしら?」
「今日はちょっと違うよ。実は…」
アンヌもサイトから、ルイズのことは聞いて
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