第21話 第三次ティアマト会戦 後編
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ろ!」
「閣下それでは前方の敵に対処できません!」
その様な遣り取りが進みながら防戦に入るが、三千隻弱対九千隻弱の戦闘では結果見えていた。
「第三分艦隊壊走!第四分艦隊もです!」
パパロイア中将が後退して再編成を考えたが、いささか遅きに喫した。
「全艦後退せよ、後退しつつ陣形を再編。急げ!」
「直撃きますー!!」
その瞬間第三艦隊旗艦ク・ホリンは数百発のビームに貫かれて原子の粒になって消滅した。
旗艦を失った第三艦隊は混乱しながら死にものぐるいの後退を開始するが、それをまるで鴨撃ちの様に帝国軍が狩っていく、戦場は多数の残骸が散らばり死屍累々の様相である。その時になって全軍撤退の命令が来たが既に殆どの分艦隊旗艦が沈んでいた為に効果的な撤退が出来なかった。大損傷を受けながら唯一生き残った第三分艦隊旗艦FBB104ウマイヤ座乗のルフェーブル少将指揮の下残存艦艇の撤退を行っていく。
旗艦アイアースでは第二艦隊が壊滅していく事態の推移にラムゼイ元帥とガムラン総参謀長達が顔面蒼白になる中で、ワイドボーンが冷静に再度の意見具申を行う。
「閣下、直ぐさま第九、第十二艦隊を後退させてください」
ラムゼイもガムランも眼をギョロギョロするだけでまともに考えが回らない状態である。
「なんだって」
「このまま行けば全滅です、今の内に第九、第十二を下げて小惑星帯に戦線を構築すれば、正面戦力が少なくても充分に防げます」
「しかし、撤退こそ至難の業だぞ」
「今だから出来るのです、このまま行けば第三艦隊も潰れます。その前に2個艦隊を全速で逃がすしか有りません。逃げる際に全ミサイルを敵に叩きつけて隙を作り撤退です」
「味方を見捨てろと言うのか」
「仕方がありません。このままでは全滅です!」
参謀長は完全に座り込んで放心状態である。その結果ラムゼイ元帥やっと納得し撤退を命令した。
「第九、第十二艦隊に全速で後退を命令せよ、全ミサイルを敵に叩きつけよ!司令部も後退せよ!」
命令を聞いて第九、第十二艦隊と総司令部が全速で後退を始める。
敵に対して、全ミサイルを叩きつけた後で一瞬の隙を突いて撤退を始めるが、メルカッツ艦隊は素早く追撃に移ってくる。
第三艦隊が瓦解した中で第九艦隊と総司令部は小惑星帯からティアマト外縁へ後退に成功したが、第十二艦隊はメルカッツ艦隊の追撃が行われ四割近い損害を出しながら撤退に成功した。
撤退できた原因は帝国軍の疲労と弾薬ミサイルが補給が必要なほどになった為であった。
帝国軍は同盟軍が撤退した為に、無人の恒星系を占領しても仕方が無い為帰還を始めた。取りあえず反乱軍に対して多大なる損害を与えて、エル・ファシルの敵を討った訳であるから、これ以上の追撃は危険と感じたのである。
同盟軍
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