番外編070話 if ゲート編 06話
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「……だった、が。さて。これはどうする?」
手にした槍の穂先をこちらに突きつけている女だけの騎士団達を見ながら、そう呟く。
イタリカでの取引は無事に終わり、ピニャの厚意――という名の懇願――により2晩程領主の屋敷で泊まって、それでアルヌスの丘に戻ろうとしている途中で、女だけの騎士団と遭遇した。
そう言えば、以前もこんな事があったな。
あの時は何人かを痛めつけてピニャの前に連れて行ったが……今の俺は、別に帝国を恨んでいる訳じゃない。
さて、どう対応するべきか。
少し考え、こいつらはピニャの部下なのだから、その辺りは本人に任せればいいだろうと判断する。
影のゲートに関しては、自衛隊の面々に見せてはいなかったが……まぁ、見られて困るようなものじゃない。
そういう手段があると知ったところで、自衛隊を含め地球側には魔力を感知するという方法が使えないのだ。
いやまぁ、実は門世界の地球にも魔法やら魔術やらがありましたとなれば、話は別だが……取りあえず現在のところ、その痕跡は見つけていない。
Fate世界の魔術協会のように、神秘の秘匿が徹底しているという可能性もあるが、そうなったらそうなったで、別にいい。
「ちょっと伊丹に時間稼ぎをしろと言っておけ」
「え? ちょっ、アルマー代表? ……え?」
俺の言葉に栗林がいきなり何を? といった視線を向けてくるが、その時には既に俺の姿は影に沈み込み始めていた。
それを見た栗林の妙な声と唖然とした表情は、可愛らしいと言ってもいい。
そんな栗林をそのままに、次に影から抜けると、俺の姿は再びイタリカの領主の館にあった。
「ア、アルマー殿? その、一体どこか……影から出て来たように見えたのだが……」
幸い俺が出たのは、ピニャが仕事をしていた部屋だったらしい。
そんな部屋にいきなり俺が姿を現したのだから、驚くのは当然だった。
ハミルトンだったか……ピニャの副官的な役割を果たしている女も、俺に驚愕の視線を向けている。
ピニャの護衛的な役割を果たしてもいるんだろうから、武器を抜くくらいのは事はしてもいいと思うんだが。
また、俺が影のゲートから出る前に反応がなかったのも気になる。
前は俺の魔法に反応してなかったか?
それとも、単純にそういう対策をしていなかっただけか。
ともあれ……今はまず用件を済ませよう。
「1つ聞くが、日本やシャドウミラーと帝国は停戦条約を結んだ。それは間違いないな?」
「え? う、うむ。それに間違いはない」
「なら、例えば……例えばの話だが、帝国の皇女直属の騎士団が俺達に手を出してきた場合、それは明らかに帝国側の過失となって、停戦条約は破棄されたと考えてもいいんだな?」
さーっと。
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