24部分:第五話 彩華ラーメンその一
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第五話 彩華ラーメンその一
彩華ラーメン
神殿から商店街を二人で歩いていますけれど。人目が気になります。
「誤解されないかしら」
「誤解って?」
「だから新一君と歩いてよ」
それが凄く不安です。こんなことで変に思われたら困るどころではありません。
「何て思われるか」
「あれ、僕は平気だけれど」
新一君はそうでしょうけれど。それでも私は違うんです。
「先輩とデートだってはっきり言えるし」
「何でそう能天気なのよ」
それが不思議でなりません。
「私、初めてのデートだしやっぱり」
「僕だって初めてだよ」
「あれ、そうだったの」
そういえば何か言っていたような。憶えていないですけれど。
「初めて同士でいいじゃない」
「そういう問題じゃなくてね」
そう新一君に言い返します。
「私が言いたいのは。他の人達が私を見て」
「恋人同士と思われるとか?」
「それよ」
それが凄く不安で心配なんです。
「誤解されたら困るわよ」
「いいじゃない、同じ大教会所属だし」
「たまたまでしょ」
最初それ知った時はそれこそ我が目を疑いました、はい。
「同じ高校の先輩後輩だし」
「それもたまたまでしょ」
入学式の時から全く。
「これも奇しきいんねんだって」
「悪いんねんね」
はっきりとそう言えます。何でこんないい加減な子が。
「今もこうしてデートしてるし」
「仕方なくでしょっ」
何か腹が立ってきました。
「新一君があんまりしつこいから」
「じゃあもっとしつこく言ってさ」
「今度は何よ」
何か急に左手を見てきました。
「さっき言ってたさ、ほら」
「さっきって?」
「だからソフト」
言われてやっと思い出しました。
「ソフトクリームね」
「好きね、ソフト」
そういえばそうです。新一君は私と一緒の時はいつもソフトクリームを食べてるんです。商店街のソフトクリームをです。今ふと気付きました。
「太るわよ、食べ過ぎると」
「先輩もね」
また余計な一言を。
「あまり甘いもの食べてると」
「そんなに食べてないけれど」
「けれど好きでしょ、甘いもの」
「まあそれはね」
自覚してます。ドーナツもケーキも大好きです。あとチョコレートなんかも。太るのと虫歯には結構気をつけていたりします。やっぱり健康第一ですから。
「だけど新一君私より食べてない?」
「そうかな」
自覚はないみたいです。
「まあ男と女の子じゃ食べる量が違うしね」
「それはね」
これはわかります。
「そうだけれどね」
「まあとにかくソフトをね」
そっちに話を戻してきました。
「食べようよ。口が寂しいし」
「わかったわ。じゃあ何がいいの?」
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