EATING 20
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に護られた、あの日を。
「いや…いやだ…」
周囲のネイバーが、一斉に鎌を振り上げる。
「やだ…しにたくない…」
彼女は、他者へ願った事等無かった。
無駄だと知っているから。
だが、そんな彼女が、その時だけは願った。
「たすけて…」
自分に唯一手を差し伸べてくれた人に。
今まで、その手を払い除けて来た。
「たすけてよ…」
一人、己を省みず、自分を護ってくれた人。
「たすけてよ…姉さん…」
最愛の、姉に。
「助けて姉さん!」
その願いは神の…否、天使の采配によって聞き入れられた。
「雪乃ちゃん!」
彼女を呼ぶ声の後、閃光が瞬いた。
振るわれた剣閃が、振り上げられた鎌を一つ残らず斬り落とした。
「ねぇ…さん…?」
剣閃の主は、彼女に微笑みかけて、直ぐにその表情を消した。
「アステロイド!」
剣を持たない方の手から、光が迸る。
その光は、ネイバーを貫き、沈めた。
「雪乃ちゃん…私強くなったよ。
雪乃ちゃんを守れるくらい、強くなったよ」
陽乃がしゃがみ、妹を抱き締める。
「よかった…無事で…雪乃ちゃんが…生きてて…よかった…」
side in
「野暮だな。戻るぞ」
「増援の心配はありませんか?」
「本部長にはあまり使うなと言われてるが、今は【開眼】している。
増援が来たなら、ジャベリンを使うさ」
元の場所へ戻った後、任務完了時が過ぎても、陽乃は戻って来なかった。
その日は隊室にも戻って来なかったので、夜架と二人で夕飯を食べた。
『清輝隊任務報告書
〇月△日土曜 任務時間1300〜1600
ネイバー撃破数
清輝 6
羽々斬 4
雪ノ下 7
計17
備考 任務中に警戒区域に民間人が侵入。
雪ノ下隊員が対処。
上記を除いて問題は無し。』
「よろしいので?」
「ああ、問題ない。
雷蔵曰く『問題は問題にしない限り問題じゃない』だ」
「御心のままに」
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