EATING 20
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イルアウトもあるし、俺も居るからな」
先程の戦闘ではきちんと戦えていたが、今は撃破したトリオン兵の上に腰掛けてボーッとしていた。
「ボーダーは本部が落ちない限り戦える…と総司令は仰っていましたが…」
「ああ、肝心の隊員がアレではな…」
「索敵状況はいかがですか?」
「気配は無いが…少し待て」
脚にトリオンを込め、地面を蹴る。
視界が一変し、辺りを見回す。
「ん…? あれは…」
ネイバーの気配は無い…が。
落下しながら、距離を目測で測る。
着地の時だけ、羽を広げ、減速。
「警戒区域に民間人発見…
どうしよう?」
それもただの民間人じゃない。
「本部に問い合わせますか?」
と夜架が耳の辺り、インカムを指す。
「いや…いい。ハル!」
「ん?翼くん?」
ネイバーの亡骸の上に座っていたハルに声をかける。
「あっちに民間人が居る。締め出せ」
「わかった」
ハルがトンっと飛び上がり、指し示した方向へ向かった。
「これでどうにかなるかな…」
「主様?」
「どうした?」
「いえ、何か謀りましたか?」
「謀ったよ。さっき言った民間人、ハルの妹だ」
「まぁ!主様は悪いお方ですね」
「悪…ねぇ…」
悪とはなんだろうか?
犯罪者?ネイバー?
そんな事を考えていると、波紋を感じた。
世界の揺らぎ、揺れ、波、波動。
すなわち世界の歪み。
「来た。夜架、戦闘用意。
方向は…くそっ…ハルを追え」
side out
一人の少女が立っていた。
小さな体躯に黒く艶やかな髪。
雪ノ下雪乃だ。
「くだらない…」
彼女は好き好んでこのような危険な場所に来たのではない。
有り体に言えば、虐めである。
この死と隣り合わせの三門市で、最も相手を害する方法は、警戒区域に対象を向かわせる事。
「ネイバーなんてそうそう出るはずないじゃない…
直ぐに終わるわ…」
彼女は、言われた通り従い…それを以て相手を見返すつもりだった。
『行ってきてやった。どうという事はなかった。
お前達はこの程度の事が恐ろしくて私にやらせたのか』
その、つもりだった。
少女を囲むように、幾本の黒い雷が迸った。
虚無、暗闇。
そう形容すべきモノが顕れる。
暗闇は次第に大きくなり…
やがて、暗闇から、灰色の物体が現れる。
ネイバー。
かつて、少女の命を奪おうとした存在。
すとん、と彼女は腰を抜かした。
あの日の…数ヶ月前の事がフラッシュバックする。
あれほど嫌っていた姉
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