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死神と呼ばれた転生者
第1話
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近づいていたジオン兵が、銃撃を受け吹き飛んだ。
 それからは敵味方双方、激しい銃撃戦になった。
 だが戦況は巨大な足音で一変した。
 一目の機械巨人、ザクUの登場である。
 俺は逃げた、仲間に声をかけずに逃げ出した。
 120mmのザクマシンガンを生身で食らえば、近くを掠めただけで死ぬだろう。

 その日の戦闘でうちの第4中隊は俺と後2人生き残った。
 だがその2人は腕や足を失っていて、五体満足に帰り着いたのは俺だけだった。

 『死神』今迄は笑いの種であったが、今では俺といると死ぬと言う意味に変わった。
 別の部隊へ転属になったが、その部隊もすぐに俺を除き全滅した。
 俺は何処の部隊からも、引き受けてくれる所が無くなった。
 オデッサから撤退の際、キャリフォルニアベースへと転属になった。


 UC0079年3月11日
 キャリフォルニアベースにもジオン軍が侵攻してきた。
 2日間の激しい抵抗をし、大勢の仲間達が死んでいった。
 13日基地の放棄が決定、俺はまた『死神』になった。

 俺の噂はそこら中に広がり、ジャブローで武器の整備・管理が仕事になった。
 だがそこもすぐに転属させられた。
 理由は俺が武器管理し出してから、武器の暴発、戦闘時の故障様々な苦情が上がって来た。
 『死神』が俺達を殺そうとしているとさえ言われた。
 上官もかばいきれずに俺は、試作武器のテスト要員に転属になった。


 UC0079年7月
 ようやく俺に運が向いて来たと思った。
 やっと連邦軍初の量産型モビルスーツが完成したのだ
 そして念願のMS、RX−79ジム先行量産機のパイロットになれたのだ。
 だが喜んだのも束の間であった。
 初期モデルの量産機が0093時の、アムロの操縦についていける筈がなかった。
 0093時のワンオフ物のガンダムと、やっと作られたジムである比べる方がおかしい。
 MSを壊しまくる俺は、MSパイロットから降ろされた。

 そんな時に俺に声をかけて来た奴らがいた。
 V作戦と違う別のMSを作っており、テストパイロットをして欲しいと言われた。
 行く場所の無かった俺は、行く事を了承した。
 横たわるMSを見て俺は驚いた、どう見てもRX−79BD−1なのである。
 そう蒼い死神『ブルーディスティニー1号機』である。
 ただブルーの象徴とも言える装置、エグザムは積んでいなかった。
 クルスト博士の亡命には、まだ早いのに何故。
 そして気付いたこいつらは、俺と同じ転生者だと。
 『死神』が蒼い死神に乗る、俺は薄ら笑いを浮かべた。
 その時から俺は本当に、『死神』となったのかもしれない。
 ブルーはまだ俺の本気の操縦についてこられないが、量産型ジムよりはかなりマシだ。

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