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夢幻水滸伝
第四十六話 都の星達その九
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「これからの政に活かす」
「そういうことですにゃ」
「ほんまにな、それも大事やな」
「国や民の現状をその目で知ることも」
「それも政やってことやな」 
 綾乃はしみじみとした口調で言った。
「うちこのこともあらためてわかったわ」
「本当にそうですにゃ」
「弥生ちゃんもやな」
「そうですにゃ」
「うちはあまり外に出てないから」
 姫巫女、関西の棟梁として御所にいて全体の政を司っていてだ。
「それでな」
「あまりお外には出てないですね」
「都ですらな」
 御所のあるそこにすらというのだ。
「それでな」
「こうして見て回ることも」
「なくてな」
 それでというのだ。
「こうして外を見て回るのもな」
「ないんですね」
「そやけどこうしてな」
「見て回ることもですにゃ」
「やっぱり大事やな」
「それはそうですにゃ、その目で見ますと」
「色々わかるさかい」
 政を担う者としてだ、綾乃はしみじみと思うのだった。
「見て回るべきやな」
「時々でもですにゃ」
「せなあかんな」
「肌でそれを感じることもですにゃ」
「ほんま大事やな」
「それもありのままの姿を」
「偉いさんが見る時は飾る時もあるっていうし」
 そうした事例もだ、綾乃は知っている。こうしたことは往々にして学校でも家でも何処でもあるものだ。
「それは参考にならんし」
「それでですにゃ」
「ちゃんとありのままの姿を見る」
「それが大事やな」
「ほんまにそうですにゃ」
「今関西の勢力はしっかりしてるんやな」
「今の時点で結構以上ですにゃ」
 内政は整っているとだ、弥生は綾乃に自分が見てきたことを話した。
「うちが見てきた限りでは」
「治安もええしな」
「誰も餓えていないし治安もですにゃ」
「ええねんな」
「山賊も海賊もヤクザ屋さんもどんどん減ってますにゃ」
 そうした良民にとって悪しき者達もというのだ。
「お店の多くは繁盛して田畑も実り豊かですにゃ」
「それは何よりやな、ほなな」
「星の人達をさらに入れて」
「内政をもっと充実させよな」
「あと三人迎え入れてですにゃ」
「そうなろうな」
 こう弥生と話してだ、そのうえでだった。
 綾乃はその弥生を連れて三人目の星の者のところに向かった、左京の南の方に一角にそのいる場所はあった。
 一軒の大きな家も兼ねた店、鍛冶屋があった。その鍛冶屋に入ると一人の作務衣を着た若いドワーフ、若いが黒い濃い髭を生やした彼が熱心に刀を打っていた。その彼が刀を打ち続けながら店に入ってきた綾乃達に言ってきた。
「何か」
「実はここにおる星の子に会いに来てん」
「つまりわしにですか」
「そやで」
 そのドワーフににこりと笑って答えた。
「やっぱりわかるか」
「はい、わしの鍛
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