暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第四十六話 都の星達その七
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「何で本屋さんしてるん?」
「このことですか」
「何でなん?」
「いえ、仕官出来なくて」
 もっと言えばそれを申し出ることが出来なくてだ。
「それでも生活をしないといけないので」
「それでなん」
「このお店に雇ってもらって」
「私が雇いましたにゃ」
 でっぷりと太った白い毛の猫人の女が出て来た、着物を着ているその姿は何か力士にも見えるものだ。
「そうしてましたにゃ」
「そうやったん」
「はい、ただ」
「ただ?」
「この人はしっかりしてますにゃ」
 そうだとだ、猫人の女は綾乃に話した。
「仕事が出る人ですにゃ」
「そうであればいいですが」
「いやいや、本当だにゃ」
 猫人の女は今度は亜紀に話した。
「亜紀ちゃんしっかりしてるにゃ」
「そうですか」
「仕官したならにゃ」
 それならともだ、亜紀にさらに話した。
「どんどん頑張るにゃ」
「それでは」
「ではうちはまた店長に返り咲きにゃ」
 店長に雇っていた亜紀が仕官したのでだ。
「そうなるにゃ」
「ではこれからは」
「応援してるにゃ、というかにゃ」
「というか?」
「これ以上ここでおたおたしていたらにゃ」
 店長は亜紀に少し厳しい顔になってこうも言った。
「うちも無理にでも前に出していたにゃ」
「前にですか」
「そうだにゃ」
 亜紀に強い声で言っていた。
「その力を天下の為に使わないのは駄目だにゃ」
「わたくしの才をですか」
「あんたは確かな才能があるにゃ」
 このことは確かな声で言った店長だった。
「それを活かすんだにゃ」
「これからは」
「全く、自信がないとそれだけで困るにゃ」
 前に進まない、それでというのだ。
「姫巫女様が来られて何よりだにゃ」
「ではこれからは」
「天下の教育を発展させるにゃ」
「そうします」
「お金はあるさかい」
 予算は既に用意してあるとだ、綾乃が話した。
「頑張ってや」
「お金、予算ですね」
「それがあるさかい」
「もう既にですか」
「太宰君も考えてたんや」
 以前からというのだ。
「治めている地域のあちこちに学校を建ててな」
「図書館や博物館もですね」
「色々建ててくさかい」
「そうですか、政で教育を発展させていく」
「それ頼むで」
「わかりました、ではすぐに御所に赴き」
「太宰君と会ってな」
 宰相である彼にというのだ。
「宜しゅう頼むで」
「そうさせて頂きます」
 亜紀は綾乃に確かな声で答えそうしてだった、店長に別れの挨拶を告げてそうして御所の方に向かった。残った店長も綾乃に笑って言った。
「有り難うですにゃ」
「谷崎さんに声をかけたことは」
「はい、お陰であの娘は羽ばたきますにゃ」
「そうしてその才能をやな」
「天下に大きく活かして
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ