20部分:第四話 大学の中でその三
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の人で。これは普通に私の好みなんですけれど。そりゃあれです、新一君だって顔は悪くないし背は高いし。けれど・・・・・・年下だし何か弟みたいだって・・・・・・うわ、弟って言葉はなしです。さっきも言ってしまいましたけれど別に弟だから親近感があるとかじゃないですから。手間がかかるってことですよ。誤解しないで下さいね。
「やっぱり立てたいですよね」
「立てたいんならそのまま帰って欲しいわ」
はっきり言ってやりました。
「それが一番嬉しいから」
「じゃあ俺の家まで一緒に帰りましょう」
「何馬鹿なこと言ってるのよっ」
ドサクサに紛れて。毎度のことですが。
「あんたの家に行っても何にもすることないでしょ!?」
「あるじゃない」
「ねえ」
後ろから皆が言います。
「ちっち、教えてあげなさい」
「お姉さんでしょ」
「ちょっと、何をよ」
また話がわからなくなりました。教えてあげるって何を。
「ああ、先輩そういうのは駄目なんですよ」
「って何で新一君が答えるのよ」
「だって。先輩あれでしょ?」
ここでまた私に言うんです。
「まだキスも何も」
「ちょっと、それがどうしたのよ」
「自分で言う?」
「ほんっとうに嘘つけないわね、この娘」
また後ろから皆が言います。今度は呆れた声で。
「だから。教えるも何も」
「えっ、ちょっとそれって」
やっと話がわかりました。そのせいで顔がすぐに真っ赤になります。体温も急に暑くなってまるで真夏みたいに感じてしまいます。
「ひょっとして。だから」
「やあっっっとわかったみたいね」
「鈍感ねえ、相変わらず」
「まあそれはおいおい」
「おいおいじゃないわよっ」
また新一君に言い返します。
「いい!?ちょっとでも変な動き見せたらひっぱたくからね」
「わかってるよ。それはそうとさ、先輩」
「ええ」
話が少し穏やかになります。私は全然心中穏やかじゃないですけれど。
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