第二幕その五
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「そうしたパンは」
「味も酷かったらしい」
「やっぱり」
「とにかく昔の船乗りのパンはまずかった」
「今じゃ信じられないわね」
「全くだ、わしも海に出たら」
今も冒険によっては海に出る時もあってそれで船に乗ったりもします、こうした時はキャプテンの腕の見せどころでもあります。
「美味いものも楽しんでいる」
「そうよね、パンだけじゃなくて」
「いい時代だ、それだけでも」
「そうよね、船の上でも美味しいものを食べたいわよね」
「いつもな」
船の上でもというのです。
「だから今は本当にいい」
「美味しいパンを食べられて」
「他の美味いものもな、このステーキにしても」
にこにことしてフォークで切ったそのステーキをお口の中に入れつつです、キャプテンはにこにことして言いました。
「食えるからな」
「今はね」
「船の中でも勿論今も」
「こうして食べられるから」
「本当にいい時代だよ」
「私もそう思うわ。あと最近ギリキンにはね」
今度はこの国のお話をするトロットでした。
「恐竜も出るから」
「えっ、恐竜ですか」
「恐竜も出るんですか」
「オズの国の他の生きものだけじゃなくて」
「恐竜まで出るんですね」
「そうなんですね」
「そうなの、皆大人しいから」
こう五人にお話するのでした。
「襲われたりしないわ」
「流石お伽の国ですね」
カルロスは目をきらきらとさせてトロットに言いました。
「恐竜なんているなんて」
「外の世界じゃいるかいないかね」
「よく言われていますけれど」
「まだいるんじゃないかってね」
「ですが確かなことはわかっていないです」
このことについては残念そうに言ったカルロスでした。
「果たして」
「そうよね、けれどオズの国ではね」
「恐竜もですね」
「いるから」
それも確かにというのです。
「見られるわよ」
「そのことも凄いですね」
「オズの国ならではよね」
「お伽の国ですね」
「お伽の国だから」
それ故にというのです。
「恐竜もいるのよ」
「そしてそれが普通なんですね」
「オズの国じゃね」
そうだというのです。
「だから恐竜に会ったら」
「その時はですね」
「皆で観て楽しんでね」
「そうさせてもらいます」
笑顔で応えたカルロスでした。
「まさか恐竜まで見られるなんて」
「今から楽しみだね」
「そうだよね」
「どんな恐竜がいるのかしら」
「一体ね」
四人もこう言います。
「早く会いたいわ」
「恐竜のいる場所に行きたいわ」
「それでこの目でね」
「恐竜を見ようね」
「うん、何か今からね」
せっかちなカルロスは今から気が逸っています。
「そこに行きたくなったよ」
「安心して、ここから近いから」
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