暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第2章 鬼神の目にも涙編
Story 16 鬼化の呪い
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る。

「昨日の夕方、仕事から帰って来たバンリがギルドの扉に寄り掛かって眠っているウェンディを抱えて戻って来たのよ。」
「あ……!」

シャルルの言葉に付け足すように言うミラの説明を聞いて、ウェンディはベットから飛び起きた。

「ちょっと、一応まだ安静にしときなさいよ。」
「イ、イブキさんは!?」
「え?」
「イブキさんはどこにいるの!?」

ベットから下りると、ウェンディはシャルルの肩を掴んで揺さぶりながら問いかける。

「イブキはまだ、帰って来てないわよ?」
「……え?」
「だけど、一緒に出掛けたはずのアンタだけが先に帰って来てるし、しかも眠ってるから私たちにも何がどうなっているのかわかっていないのよ。」

シャルルの言葉に、ウェンディは自分が血の気を失っていく感覚を覚えた。

「ウェンディ、どういうことなの?イブキと……何かあったの?」
「………。」

シャルルの声が遠くに感じる。立っていられるのもやっとだ。

「ところで……昨日扉の前で眠ってたウェンディの肩と首に、これがかけられていたんだけど……?」

そう言いながらミラが持っていたものをウェンディに見せる。

「ッ―――――!」
「ちょっ、ちょっとウェンディ!?アンタ…いったいどうしちゃったのよぉ!?」

膝から崩れ落ち、声を上げて泣き出したウェンディを見てシャルルが驚嘆の声を上げた。
ミラが持っていたのは、イブキがいつも身に着けている黒いジャケットと、肌身離さず首から提げていた、エリカからもらった青色の雫型のペンダントだった。



『“俺の事を守ってくれる”おまじないがかかっているんだってよ。』



ペンダントが悲しげに、僅かな光を発して輝いた。

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