番外編069話 if ゲート編 05話
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出す。
だが、この世界のテュカは、特に動揺した様子を見せずに、俺に話し掛けてくる。
「それで、どうします?」
「前は殺すことしか出来なかったからな。骨格標本はホワイトスターにあるけど、出来れば生きている炎龍が欲しい。力の差を見せつければ、きちんと俺に従うようになると思うか?」
「……アクセル様なら問題ないと思います」
「何を言ってるのよ!?」
俺とテュカの会話を聞き、この世界のテュカが冗談ではないと叫ぶ。
まぁ、炎龍は災害と同様の存在だ。
この世界のテュカにとって、俺は全く理解不能な事を言ってるようなものなのだろう。
言うなれば、台風や地震、津波といった存在を従えると、そう言ってるようなものなのだから。
だが、俺の世界のテュカにとっては、俺が言ってるのは別に誇大妄想でも何でもない。
厳然たる事実でしかないのだ。
「大丈夫よ、アクセル様なら」
「ちょっ、いいの? 炎龍よ、炎龍!」
「あのー……話についていけないんですが、炎龍というのはどのような存在なので?」
俺とテュカ達の話を聞いていた伊丹が、恐る恐るといった様子で声を掛けてくる。
その表情が若干引き攣っているように見えるのは、俺達の話に不吉な感じがしたからだろう。
「炎龍は……いや、いいや。テュカ、説明は任せた。俺は炎龍をしつけてくる。……こういうのも、テイムするって言うのか?」
「大丈夫だとは思いますけど、お気を付けて。雑事は私に任せて下さい」
一礼するテュカをその場に残し、俺は空中に浮かび上がる。
そんな俺を見て、伊丹達が驚愕して叫び声を上げていたが……ホワイトスターで虚空瞬動とかを見たんだし、そこまで驚くような事はないと思うけどな。
もっとも、俺が空を飛ぶのと虚空瞬動というのは色々と原理が違うのだが。
ともあれ、エルフ族の集落がある森から上空に浮き上がると、視線の先にはこちらに向かって飛んできている炎龍の姿があった。
……さて、召喚の契約とかならグリとした事があるけど、そういう召喚の契約じゃなくて、テイム……従える事が出来るか?
そんな風に思いながら、エルフの集落の森に真っ直ぐ近づいてくる炎龍に向かう。
最初は向こうも、俺を見て特に敵らしい敵だとは思わなかったのか、特に攻撃してくるような事もなかったが……俺が近づいてくる炎龍を前にしても、全く逃げ出したりするような姿を見せなかったのが、気にくわなかったのだろう。
不意に大きく口を開け、自分の強さを示すように吠える。
「ガアアアアアアァァアッ!」
もしこの門世界の人間が、その声を聞けば間違いなく怯えるだろう。
炎龍というのは、この門世界ではそれだけ恐れられているのだから。
だが、それはあくまでもこの門世界での話だ。
俺に
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