猫娘と入学編
NO.005 雄英試験
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子の姿も確認できたけど、さっきのように注意されないようにと出久は我慢した。
その時だった。
『スタートだ! イエーーーーーイ!!』
いきなりのプレゼント・マイクの叫びに頭が一瞬で戦闘モードへと移行した出久は、
「(脚力強化!!)いくぞ! 高速移動!!」
出久はそれぞれが走り出す中で誰よりも先行して前を走っていた。
「なっ!? あの子、さっきのドジっ子じゃないのか!?」「速すぎる!!」「この俺よりも速いだと!?」
各々の声を置き去りにしてさっそく現れた1ポイントの仮想ヴィランに出久は爪を伸ばし硬化させて一瞬の間に引き裂いた。
「脆いな……でもこれならやれる!!」
そして出久は普段は使用していない猫耳に神経を集中させて機械的な足音を頼りに次々と仮想ヴィランを見つけて引き裂いていった。
残り時間は5分と告げられて「この調子なら平気そうかな……?」と安心している時だった。
ビルとビルの間を圧潰させるように0ポイントの仮想ヴィランが出現したのだ。
「あれが0ポイントの仮想ヴィラン……」
出久の周りの受験者達はあれよあれよという間に逃げ出してしまっていた。
それで出久も一瞬の判断を迫られた時だった。
「いったぁ……」
先程崩れた瓦礫の影響で出久を助けてくれた女の子が倒れてしまっていたのだ。
「助けなきゃ!!」
出久は迷いもなく少女のもとへと高速で移動した。
「大丈夫……?」
「あ、うん。その、うち……」
「待って。安全な場所に移動させるから!」
そしてすぐさま受験者達が避難している場所へと女の子を運んだ後、
「0ポイントでも仮想ヴィランだ。放っておくわけにはいかない!」
向かっていこうとする出久に、だが背後であの眼鏡の少年が大声を上げてきた。
「君! 待ちたまえ! あれは別に倒さなくてもよいものなのだから……!!」
そう言われて出久は眼鏡の少年に笑顔を浮かばせながらも振り向いて、
「それでも、あれを放っておくと町が壊されちゃうでしょ? だから僕は行くよ!」
走っていく出久の姿を眼鏡の少年はただ頬を赤くさせたまま見送るだけであった。
少年の心に芽生えた気持ちはなにかななにかな……?
そんな事は知らない出久は、左手の爪を最大限まで伸ばして現状で最高の硬化をさせ、ワン・フォー・オールを全身に巡らせて右手を強く握る。
そして最後に高速移動をして0ポイント仮想ヴィランの前まで来ると、脚力強化をして頭上まで飛び上がり、体を捻り重力に任せて降下し一気に爪を振り下ろした。
結果、0ポイントヴィランは身体上半分まで引き裂かれた。
「(チッ……浅かったか。)でも! スマーーーーッシュ!!」
溜めていた右の拳を一気に振り抜いて
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