14部分:第三話 高校生と大学生その六
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第三話 高校生と大学生その六
「結構楽しいけれど」
「西大寺とかも行かないの」
「あそこも結構好きだけれど」
「やっぱり遠いから」
奈良は北の方が結構開けていて南はそうじゃないんです。それで遊ぶには北の方がよかったりします。新一君は結構田舎にいるらしいんでそうした時は苦労するみたいです。おぢばはゲームセンターとかそういった場所はないんでこうした時結構困ったりするんです。といっても私はそうしたお店は殆ど行かないんでわからないんですけれど。UFOキャッチャーはしますけれどね。
「家に帰るんなら行かないね」
「そうなの」
「よかったら先輩どっか案内してよ」
「馬鹿言いなさい」
本当に馬鹿言いなさいです。
「この前みたいに本屋さんで特撮の本でも読んでいなさい」
「あっ、馬鹿にするんだ」
私に抗議めいて言います。
「特撮を。あれは素晴らしい文化だよ」
「それはそれでいいのよ。何で私が新一君と一緒に」
「ちぇっ、じゃあどっかで時間潰すか」
「北寮でも行って来たら?」
天理高校の男の子の寮です。東寮よりずっと大きいんです。天理高校は男の子と女の子の割合が大体三対二程度です。もっとあるかも。そのせいだと思いますけれど。
「結構行ってるんでしょ?あそこ」
「お酒持って行ったら怒られるしさ」
「ちょっと待ちなさい」
聞き捨てならない言葉でした。何を言うかと思ったら。
「お酒って何よ一体。そんなのやったら駄目に決まってるでしょ」
「そうだよね。やっぱり制服だと」
「そういう問題じゃないわよ」
思いきり怒ります。
「未成年がお酒飲んだら駄目に決まってるじゃない」
「固いことは言いっこなしじゃない」
「あのね。そんなのだから」
「皆あまり守ってませんよね」
新一君は井本さんご夫婦に話を振ってきました。ご夫婦も天理高校出身なんです。
「やっぱり」
「まあね」
「私服でだけれど」
「ほら」
「ほらじゃないわよ」
私はまた新一君に言い返しました。
「何処までいい加減なのよ。お酒なんて」
「煙草はやらないよ。クスリも」
「どちらも当然でしょ」
特にクスリなんて。言語道断です。
「本当にねえ。そんなのすぐに止めなさい」
「じゃあ家に帰ろうっと」
「それでどうするのよ」
「まあ一杯」
「・・・・・・本当に反省しないわね」
いい加減呆れます。毎度毎度本当に。
「まあまあ。じゃあまた明日」
「そのまま二日酔いで倒れて先生に怒られなさい」
「了解。それじゃあ」
相変わらず軽い調子で帰って行きます。呆れる私の視線を軽々とかわしてです。あの軽さだけは本当に真似できません。悪い意味で羨ましいです。
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