暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
絶対零度
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は・・・まだまだその力が必要だよ!!」

その現実を受け入れられない少女は、自らの体内に復活した、わずかながらに感じられる魔力を少年の傷口へと当てる。

「やめろ・・・まだ馴染んでないのに魔法を使ったら・・・また・・・」
「いいの!!あたしはレオンを助けられれば・・・魔法なんか必要ない!!だって・・・」

自身の回復魔法で必死に少年の傷を癒そうとする。だが、その手から放たれる魔力はとても小さく、彼の体に大きく空いた穴を塞ぐのは不可能だった。

「レオンのことが・・・大好きだから」

涙でグチャグチャの表情で白くなっている少年に話し掛ける少女。それを聞いた彼は、嬉しそうに笑みを見せた。

「俺も好きだよ・・・大切な・・・友達として・・・」
「違うの!!あたしの好きはそういうのじゃない!!」

笑みが浮かんでいた少年の表情が困惑の色へと変化した。彼女が何を言いたいのかわからない彼は、次に出てくる言葉を待つ。

「“愛”してるんだよ・・・レオンのこと・・・一人の男の子として・・・」
「え・・・」

彼は何を言われているのかわからず、遠くにいた従兄へと視線を向ける。彼は必死に涙を抑えながら、真っ赤に目を充血させて、小さくうなずいてみせた。

「いつから・・・?」
「ずっとだよ・・・ずっと・・・」

天空の神の涙が氷の神の体へと降り注ぐ。ようやく彼女の気持ちに気付かされた神は、紅く染まり行く空を見上げ、奥歯を噛む。

「そうだったんだ・・・全然気付かなかった」

自分にずっと自信が持てなかった彼は、彼女が自分を慕ってくれているとは思っていなかった。もっとカッコいい存在が近くにいるのに、自分をそんな風に感じてくれていたことに喜びを感じていた。
だが同時に、彼はひどく自らを嫌悪することになってしまう。

「最低だな・・・ずっとシェリアの気持ちに気付かなかったなんて・・・」

手を伸ばし、涙が止まらない少女の頬に触れる。彼の手に付いた赤い血液が、彼女の涙を混ざり合った。

「ごめんシェリア・・・俺・・・絶対勝ちたいって思ってたのに・・・」

彼女のために勝ちたい・・・生きていたいと強く願い戦いに挑んだレオン。その願いは叶わないことは、もう誰の目から見ても明らかだった。

「シェリアがあんなに頑張ってくれたから・・・生きて・・・」
「諦めないでよ・・・レオン・・・」

少女の頬から手を離し、自らの熱くなった目頭を押さえる。神の領域により熱を帯びていた彼の体は、少しずつ冷たくなっていた。

「ねぇ・・・シェリア・・・」
「何?レオン」

お互いの目線が合う。だが相手の顔はほとんど見えない。涙でボヤけた視界を必死に取り戻そうと、少年は涙を拭った。

「笑ってくれよ・・・泣き顔じゃ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ