第38話 絶剣と妖精の再会
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していたんだろうかフィーは俺の胸の中でクスンと涙を流していた。きっと俺に会った事で張りつめていた糸が切れてしまったんだろう。俺は無言でフィーの頭をポンポンと撫でていると不意に足に鈍い痛みが走り見てみると帽子を被った男の子が俺を睨んでいた。
「おい!何フィルを泣かせてんだよ!」
「あ、いやこれは……」
「さてはお前が孤児院を焼いた犯人だな!フィルから離れろ!こいつ!!」
ドカドカと俺の足を蹴ってくる男の子に俺はどうしたらいいか困惑した。この男の子は純粋にフィーの事を心配しているから怒れないしどうも興奮しているからか説明しようとしても話を聞いてくれない。
「ちょ、ちょっと!止めなさいよ、クラム!」
「止めんなよ!マリィ!俺がこいつを成敗してやるんだからな!!」
「もし本当に放火した犯人だったらフィルお姉ちゃんが抱き着いたりしないでしょ?この人はお姉ちゃんが話していたお兄さんだよ」
「クラム、その人は正真正銘のフィルさんのお兄さんです。急に蹴ったりするとはどういうことですか!」
「うえっ!?オ、オイラてっきり……」
どうやら落ち着いてくれたようだ。俺はクラムと呼ばれた男の子の前に跪くと目線を合わせる。
「君はクラム君っていうんだね?」
「だ、だったら何だよ……」
「俺の妹が世話になったようだな。色々とありがとう」
俺は握手を求めて右手を差し出すがクラムはバシッと右手を弾いた。
「何がありがとうだ!フィルが危ない時にいなかったくせに兄貴ぶるなよな!」
「こら!クラム!あなた、何てことを……」
「ふんだ!オイラ絶対にそいつを認めたりしないからな―――――!!」
クラムはそう言うとダッと部屋を出て走り去っていった。
「リートさん、ごめんなさい。クラムが失礼な事を……」
「いえ、気にしないでください。彼の言う通り俺は妹が危ない時に傍にいなかったんです、今更ノコノコと現れて兄貴面されても納得できないでしょう」
頭を下げるテレサさんに俺は構わないと言う。あの子が言っていたことは間違ってないしそれにあのクラムって子はもしかしたらフィーに気があるのかもしれない、微笑ましい物だな。
「でもフィルお姉ちゃんのお兄さんが来たって事はお姉ちゃんここからいなくなっちゃうの?そんなのヤダよー!」
「ポーリィ、それは……」
金髪の女の子がイヤイヤと首を振りながらフィルにしがみついた。
「リート、その……」
「大丈夫だ、フィル。放火事件の犯人が捕まるまではここにいてもいいという話になっている。本来なら褒められた行動じゃないが俺もフィルと同じ状況だったらそうしていただろうし気にしなくてもいい。俺が来たからにはお前もその大切な人たちも
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