第38話 絶剣と妖精の再会
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ルさんが来てくださってから孤児院は賑やかになりました。面倒見もいいし子供たちもすっかり懐いてしまって……もう家族と言ってもおかしくないほどです」
「テレサさん……」
「あなた方の事情は分かりませんが人には言えない仕事をしていらっしゃるんですよね。それとなくフィルさんやあなたの様子を見ていたら感づきました。孤児院をやってると多く人と会いますから何となく分かってしまうんですよね」
「……」
俺はあえて何でも屋と言ったがこの人は俺とフィルが猟兵だという事を無意識に感づいたのか?
「それをふまえて無茶なことを言わせて頂いてもよろしいですか?」
「……なんでしょうか?」
「フィルさんをまた子供たちに会わせてあげてくださいませんか?」
俺はそれを聞いて悩んだ。俺たちは猟兵だ、本来リベール王国には猟兵は簡単には入国できないし今回のケースだって来たくて来た訳じゃない。
だからカシウスさんが帰ってきてこの国から去ったら余程の事がない限りここに来ることはないだろう。
「……分かりました。必ずここにフィルがまた顔を出せるようにします」
だが俺はテレサさんの頼みを聞き入れた。難しい問題なのは確かだ、でも俺はこの人の願いを叶えたいと強く思った。フィーだってそれを望んでいるはずだ。
「それと俺の本当の名はリィンです。フィルはフィーと言います。あなただけには伝えておきたかったので……」
「……ありがとうございます、リィンさん」
俺はそう言うとテレサさんと握手を交わした。その時俺たちがいる部屋の扉が開いて誰かが入ってきた。
「テレサ先生、ただいまー!あれ、そいつ誰?」
「もうクラムったらお客さんに対して失礼でしょう!ごめんなさい、この子ちょっと口が悪くて……」
どうやら孤児院に住む子供たちが帰ってきたようだ。帽子の男の子に緑髪の女の子が注意をしていた。
「お腹すいたねー。今日の夕食はなんだろう?」
「私、フィルお姉ちゃんのシチューが食べたーい!」
「ん、なら後で厨房を借りよっか……!?」
後から入ってきた呑気そうな男の子と、元気がありそうな金髪の女の子に手を引かれながら入ってきた銀髪の少女を見て俺は心が震えた。少女も俺を見て目を見開いていた。
「リィ……リート?」
「……会いに来るのが遅くなってしまって済まなかったな。フィル」
「っ!リート!!」
感極まったのか銀髪の少女……フィーは涙を流しながら俺に飛び込んできた。俺はそれを受け止めて頭を撫でた。
「会いたかった……ずっと会いたかったよ、リート……」
「俺もだ。ずっと会いたかった……無事で本当に良かったよ。フィル」
「リート……」
今まで我慢
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