126部分:第十七話 梅雨ですその四
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第十七話 梅雨ですその四
「だから。美人が多くてよかったら」
「宜しい」
お世辞かも、ですけれどこう言われて誰も悪い気はしません。
「素直、正直はいいことよ」
「女の子とレディーとお婆さんには嘘はつかないんだよ」
つまり女性全般には、ということですね。凄くわかりやすいです。
「だってよ。天理教って」
「何?」
「女の人がかなり強いんだろ?それは聞いた話だけれどさ」
「事実よ」
自宅生の娘が彼にはっきりと告げました。そう、これって本当のことなんです。
「だって。教祖が女性の方だし」
「だよね」
「婦人会に女子青年に。それに」
「天理高校でも女の子強いよなあ」
数はあまり多くはないですけれど。何故か女の子の力が強いってイメージがあるみたいです。実は私にもそのイメージはあるんですけれど。
「逆らったら生きていけないって雰囲気をひしひしと感じるよ」
「また大袈裟な」
「大袈裟じゃないよ」
こう反論してきました。
「だって本当に。凄い力あるじゃない」
「そうかしら」
「特にね」
ここで何故か私の方に顔を向けてきました。どうしてここで私なんでしょうか。それが心の中でふそくを感じさせるものになりましたけれど内緒です。
「東寮の人達はね」
「私達なのね」
「そうだよ。団結力凄いじゃない」
「そうかしら」
それを言われても首を傾げるだけしかできないです。だって私にはその実感がありませんから。東寮の中でも色々とありますから。
「自覚ないの?だって一人に嫌われたら百人に嫌われるんでしょ?」
「百人って」
また何か。変な動物みたいに。大体東寮で百人といえばもうかなりの数なんですけれど。一年全体でもそこまでいるかしら、って思う位です。
「そんなに嫌われないわよ」
「そうかな。俺この前さ」
「何したの?」
「ええと、三年のさ」
まさかとは思いますけれど三年の人と何かあったんでしょうか。だとするとかなり怖いことなんですけれど。東寮じゃ先輩、特に三年の方って凄い力ありますから。
「髪が茶色でふわふわした感じで」
「ええ」
茶色ですか。とりあえずこう思っただけでした。
「色が白くてね」
「色白なのね」
何かどっかで聞いた気が。彼の話を聞いて思いましたけれどこれも口には出しませんでした。
「目が垂れ目気味できらきらした感じで。奇麗な人だったけれど」
「長池先輩じゃない」
ここで出て来るなんて。どんないんねんなんでしょう。まさかとは思いましたけれど。
「ああ、長池先輩っていうんだ、あの人」
「そうよ。私と一緒の部屋の人なのよ」
「そうだったんだ」
今度は彼が驚く番でした。これは信じられないって感じで。
「けれどそれでだったんだ。ちっちと仲良くしてあげてね、って言
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