122部分:第十六話 色々と大変ですその九
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
かしいですか」
「二年や三年になったらわかるわ」
また笑顔で私に話してくれます。
「その辺りもね」
「そうなんでしょうか」
「そうよ。またね」
「はあ」
「実感ないでしょうね」
今度も笑って仰ってきました。
「まだね」
「やっぱり二年か三年になってからなんですね」
「そういうことよ。そういえばね」
ここで先輩は何かに気付かれたようです。
「はい?」
「礼拝場の階段って大きくないかしら」
不意にこんなことを仰ってきました。
「階段がですか」
「ええ」
それまで笑顔だったのが消えて。暗い顔になっています。
「ほら、礼拝場に入る階段」
私にその礼拝場に入る階段を見るように促ししながらお話します。
「あそこ。大きくない?」
「ですよね。確かに」
そして私もそれは同じことを感じました。
「上から見上げられると怖いっていうか」
「そういえばこうも言われているのよ」
不意にまた話が変わりました。
「こうもって?」
「上から見上げる女の人は美人だってね」
「そうなんですか。それじゃあ」
低いなりにやってみようかしらって思ったりしました。そんなことを考えながら佐野先輩と二人で参拝したのでした。その西の礼拝場で。
第十六話 完
2008・3・8
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ