天使のような子と──
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
らに柔らかそうな手。そういえば、握ったことはおろか触ったこともない気がする。
──手を、繋いでみたい。
別に手を繋ぐくらいなら大丈夫だよな? しかも今はデート中だし、その方が自然に見えると思う。自惚れるつもりはないけど、もしかしたら南さんも期待しているかもしれない。
──よし、俺も男だ。
「……えっ?」
突然のことに驚く南さん。だけど俺はそれを気にする余裕なんて無かった。
まるでマシュマロのような柔らかい感触と、直に伝わる彼女の体温。女の子の手ってこんなに柔らかいのか。触っていてとても心地が良い。何これ感動なんですけど。
──と、ここで我に返り、やってしまったという自責の念が俺を苛む。
「ご、ごめん! いきなりで吃驚したよね! ほんとごめん!」
慌てて南さんの手を離す。しかし、すぐにまた柔らかい感触が俺の手を包んだ。
「えっ、み、南さん?」
「べ、別に手を繋ぐくらい、普通じゃないかな? だってほら……今はデート中だし」
「そ、それもそうだね……」
顔を赤らめ、どこか恥ずかしそうに話す彼女。よかった、南さんも俺と同じ考えだったみたいだ。
……あれ。ということはつまり──
「こ、このままカラオケまで行く?」
「神崎くんがいいんなら。わ、私は全然いいよ?」
「そ、そっか。……それじゃあこのままで」
「……うんっ、えへへ」
──神様仏様、この素晴らしい機会を与えて下さり本当にありがとうございます。もう死んでもいいくらいに幸せです。
◆
歌を上手に歌うということは、誰もが憧れることだと思う。音程をしっかり取れるということは大前提として、そこからビブラート、こぶしなどをどのようにして効かせて歌えるかが上手い下手の別れ道になってくる。
特に、音楽関係の部活動をやっている人はそれらの要素が重要だろう。最初は全然下手でも、練習を重ねていく内に自然と上達していく筈だ。
ここまで俺の考えを述べてきたけど、つまり何が言いたいのかというと、
──スクールアイドルってマジぱねぇ。
いや、ほんと。その凄さを改めて思い知った。
カラオケでの南さん。もう吃驚するほど上手くて、俺が歌っていいのかって思ってしまった。しかも、有名スクールアイドルである南ことりの生歌を目と鼻の先で聞ける。これはファンにとっては、これ以上ないくらい幸せなことなのではないだろうか? とんでもない贅沢だ。まあデートしてる時点で贅沢だから今更って感じがするけど。
ダンスも出来て歌も上手に歌える。プロのアイドルと何ら遜色がない。
「──わぁ、この服可愛い!!ね、神崎くんもそう思うでしょ?」
「え、あ、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ