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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica12新暦78年:聖王教会騎士団独立〜Historical Events〜
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いた――

――え?・・・あ! そ、そうですね! ルシル副隊長、シャル隊長のお見舞い、お願いします!――

ルミナ、セレス、クラリス(は平常運転だが)、ミヤビがそう言って俺ひとりだけを送り出した。アイリも、マイスターが行ってあげればいいと思うんだけどね、と言って残った。はやてを応援し、シャルを応援し、トリシュを応援し、自分も頑張る恋する乙女だ。ホント彼女たちを幸せに出来ない俺はクズ過ぎるよな。

「・・・というか、母様は何やってるの!? 母様がこんな無謀な事を許すとは思えない!」

医務室の前にたどり着いたところで室内からシャルの怒声が漏れ聞こえてきた。と同時にドアがスライドして開く。するとシャルとティファの2人の視線が俺へと向いた。

「ルシル・・・!」

敵の銃撃の集中砲火を受けてことで髪が短くなったシャルが、さっきまでの怒気を抑えて俺の名前を呼んで、後ろ髪を気にするかのようにイジりながらもじもじとした。彼女は後ろ髪を本当に大切にしていたからな。だから「その長さでも十分可愛いぞ」とフォローしておく。お世辞でもなんでもなく、髪の短いシャルでもとても魅力的な女性だと思うから。

「・・・! う、うぅ・・・うぅ〜〜」

シャルの顔が一気に真っ赤になり、体育座りのまま布団を頭から被った。珍しい。いつもならすごい喜んでくれるはずなんだが。ティファと顔を見合わせて小首を傾げていると、シャルが「ホントに? 髪、変じゃない?」と聞いてきた。

「ああ、変じゃないよ。似合ってる」

「私もそう思うよ、イリス」

「・・・ありがとう。そう言ってもらえてすっごく嬉しい」

布団から顔を出したシャルは照れくさそうにはにかんでいた。しかしすぐに「ティファ。制服ちょうだい」とベッドから降りようとして、両足を床に着けた途端シャルは「いっつ・・・!」と苦痛に顔を歪めた。

「無茶はよせ、シャル。俺とティファで君の負った傷は治したが、受けたダメージまでは完全には治せていない。あと2〜3日は安静だぞ」

「ルシル副隊長の言うとおり」

ティファがわたしをお姫様抱っこすると「もうこれで最後ですから、それまでは安静にしていてちょうだい」ってベッドに横たえさせて布団を被した。

「でも母様と話をしないと・・・。それに・・・それに・・・。ねえ、最後ってなに?」

シャルが目を丸くして聞いてきて、俺とティファはもう一度顔を見合わせてどう答えようか迷った。が、誤魔化しても騙してもすぐにはバレる話だ。ティファと頷き合い、教会騎士団の独立による余波が、俺たち特務零課にまで及んでいることを伝えることに。

「聖王教会本部より、管理局に勤める騎士に通達があったの。現在教会騎士団に所属している者、かつて所属していた者は、指定日までに管理局を
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