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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica12新暦78年:聖王教会騎士団独立〜Historical Events〜
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けではないだろう? プライソン戦役など氷山の一角だ。それなのに本当にこのままあの連中にミッドチルダの安寧を任せていいのか? 少しはマシになったとはいえ、未だに派閥や縄張り争いの止まない。しかし我われ騎士ならば、かのような不祥事は起こさんし、内部争いもない。聖王陛下の御魂の下、公正公平を成すのが当然だからだ」

「内部争いは今まさにここでやっちゃっているけれど・・・。とにかくリナルドはそう考え、先の提案を議会に提出したの。もちろん私や他の当主たちはこれを却下したのだけど・・・。まだ諦められないと?」

「当然。そのために長い間ずっと準備を進めてきたのだ。ここで拒まれてはすべてが水泡に帰す。もう一度再考を、マリアンネ聖下」

リナルドとマリアンネが鋭い目つきで互いを睨み合う。十数秒と沈黙が流れた後、マリアンネは口を開いた。ただ一言、「却下」と。次いで「2人は同じ答えで良いかしら?」とパーシヴァル達に尋ねた。

「「はい」」

「というわけで、あなたの思惑はこれにて終了。さ、私たちはまだ仕事があるから退室をお願いね」

マリアンネがリナルドへと手を振った直後・・・

――トランスファーゲート――

彼女の背後の空間が揺らぎ、そこより1人の人間が出現した。黒いセーラー服に三日月模様の仮面を着けた女性だ。手にしているのは一振りの片刃剣。すでに剣を振り上げていて攻撃態勢だ。完璧な奇襲。立ち位置的にパーシヴァル達がいち早くそれに気付きはしたものの、それをマリアンネに伝えるには時間が圧倒的に足りない。仮面持ちの刃が振り下ろされる。刃面がマリアンネの右肩に打ち込まれるかという瞬間・・・

「こんな迷いだらけの剣など、見る間でもなく感じ取れる・・・!」

半歩分左に移動することで斬撃を躱し、仮面持ちが次の行動に移る前に上段後ろ回し蹴りを繰り出した。出現してからの奇襲斬撃。それを回避されたその直後では未だに仮面持ちは中空だ。その蹴りを回避することは出来なかったが、「くぅ・・・!」両腕を交差させての防御には成功した。仮面持ちは蹴り飛ばされながらも宙で体勢を立て直し、書棚のちょうど木枠に一旦着地し、そして床に降り立った。

「貴様! 指名手配を受けている仮面持ちだな! なぜ聖下を狙った!?」

パーシヴァルが自身の槍型アームドデバイス ・“ロンゴミアント”を起動させて構えを取り、いつでも突進できるように腰を僅かに落とした。そんな彼に「待ちなさい」とマリアンネが制止した。

「リナルド、あなたがまさか仮面持ちと繋がっているとはね」

マリアンネが襲撃されたにも拘らずリナルドは黙って佇んでいるだけ。仮面持ちとは仲間であると考えた方が自然である。口を噤んでいる彼から仮面持ちへと目を向けたマリアンネは「本当に馬鹿な子ね、プラダマンテ」と
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