猫娘と入学編
NO.001 覚醒
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い事ではない。だがな少年、それ相応に現実を見なければならない……」
期待した応えは返ってこなかったことに対して出久は絶望を味わう。
僅かな希望だったオールマイトに縋っても結局は無個性ではこの世の中ではほそぼそと生きていかなければいけないと思い知ってしまったのだ。
絶望に打ちひしがれる出久は様々なクラスメートの言葉を思い出していて「もう、諦めるしかないのかな……?」と思い、
「フォウ……僕はどうしたら……」
かつて救えなかった子の名前を呟く出久。
だけどそこで爆発音が響いてきて気乗りしないけどいつもの癖で見に行ってしまう出久。
そこで目撃したのは先ほど自身を捕えようとしたヘドロヴィランがまた暴れている光景。
どうして……という思いと同時に見てしまう。
捕まっている人が爆豪勝己だという事に。
「(かっちゃん!?)」
気づけば出久は駆け出していた。
「バカヤロー!! 止まれー!!」
ヒーローの叫ぶ声が背後から聞こえてくるけど出久はただ走った。
だけど瞬間、出久は自身の動きがスローモーションのようになっている感覚を味わう。
そしてまたしても先ほどの声が語り掛けてきた。
『―――イズクは、カレをスクイタイノ?』
『当然だよ!』
『カレは、イズクの事をイジメていたんだよ……?』
『それでも!』
『それでも?』
『助けを求めているんなら助けるのがヒーローだろ!?』
『そっか……。うん、わかった。イズクは相変わらずだね……それじゃ、私からプレゼントを上げるね』
それを最後に謎の声は聞こえなくなっていた。
スローモーションから解放され、何かの力が湧いてくる感覚を出久は覚えながらもヘドロヴィランに飛び付いた。
「何でてめぇが!! っていうかなんだその姿!?」
「なんでって……君が助けを求める顔をしていたから!!」
「もう少しなんだよ! 邪魔するな!!」
ヘドロヴィランが腕を振るってくる間際に出久は自然と腕を振り上げていた。
次の瞬間、ヴィランの苦しむ声が響いた。
出久はなにごと!? と思ったけどさらにそこにオールマイトの声が響いてきて、
「君を諭しておいて……己が実践しないなんて!! プロはいつだって命がけだ―――!!」
オールマイトの一撃によってヘドロヴィランは吹き飛び、その風圧で起こった上昇気流で雨が降り注いできた。
「オールマイト……よかった……」
「おい、デク!! なんだその姿と力は!? 目を覚ましやがれぇ!!」
爆豪の声が聞こえてきたが出久はそれを見届けて静かに気を失った。
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