猫娘と入学編
NO.001 覚醒
[2/3]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「諦めろデク。お前じゃ誰も救えねぇ……それに、またあんな思いはしたくねぇだろ……?」
それは偏に爆豪なりの多少残されている優しさだった。
だけど出久はそれに気づく事が出来ずにただただ「それでも、諦めたくないんだ!!」と叫んだ。
涙を流す出久に対して爆豪はただ無言で燃えたノートを放り投げて取り巻きとともに教室を出て行った。
取り巻きの少年たちは爆豪に対して、
「いいのかよ爆豪? あいつは結構必死っぽかったけど……」
「いいんだよ。あいつは無鉄砲が過ぎるからな……無個性でよかったんじゃねぇか?」
とある過去を思い出しつつ、「胸糞わりぃ……」と吐き捨ててそのまま帰っていく。
出久はとぼとぼと帰りつつ、溜息を吐いていた。
『かっちゃんの馬鹿野郎……僕だって、僕だって……あの時ほんとだったら』
出久も過去を思い出すけど、救えなかった事実は変えられない真実のためにそれ以上は考えることをやめていた。
そんな時だった。
出久の背後に影が出来て、
「Mサイズの……隠れミノ……」
「ッ!?」
出久はとっさに振りむいたけどヘドロのようなヴィランは出久に纏わりついてしまった。
そこから聞かされる体を乗っ取るという発言に、出久は死の恐怖を抱きながらも助けを求めた。
そんな時に頭にどこからともなく響いてくる声……。
『………―――イカイ……?』
「えっ……?」
その謎の声に耳を傾けようとして、その前に、
―――もう大丈夫だ少年。私が来た!!
その力強い言葉とともに出久の憧れのヒーロー・オールマイトが出久を助けてくれたのであった。
「HAHAHAHA!!」
颯爽とヴィランを捕まえて軽快に笑うオールマイトが出久にサインや言葉を贈ってその場を立ち去ろうとしたのだけど、出久はオールマイトに掴みかかっていた。
「少年!? 離したまえ!」
「嫌です! その前に僕の話を聞いてくれませんか!?」
出久の必死の言葉にオールマイトは少しだけ考えて、
「オーケイ。だからどこかに降りるとしようか……コフッ!(まずいな……)」
オールマイトはわずかに血を吐きつつそのままビルの屋上へと降り立った。
そして、
「オールマイト……個性がなくとも、ヒーローはなれますか……?」
出久の心から来る願い。
母には思った言葉は言われなかった。
だけどオールマイトならば!
だがしかし、その答えを聞く前にオールマイトは萎んでしまっていた。
大いに驚く出久。
仕方がないかとオールマイトは語りだす。
自身の過去にあった事件で重傷を負った事とヒーローはいつも命がけだという事を。
「夢を見ることは悪
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ