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おぢばにおかえり
120部分:第十六話 色々と大変ですその七
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第十六話 色々と大変ですその七

「今は私って言ってるじゃない」
「はい」
「これがうちだったのよ、最初は」
「うち、ですか」
「そう、広島って女の子の一人称がうちってなるのよ。それ使う娘が多いわね」
「へえ、そうなんですか」
 それは初耳です。広島弁がどんなのかは少しだけイメージでわかってはいたんですけれど。一人称にも特徴があったんですね。
「それ言われたわね。じゃけえって言葉と一緒に」
「うちって言葉もですか」
「男はわしなのよ」
 何かお爺ちゃんみたいです。
「若い子でもわしって言うわ」
「若い人でもですか」
「そう、広島を舞台にした漫画があったけれど」
 はだしのゲンでしょうか。
「はだしのゲンとか」
 やっぱりそれでした。けれどそれだけじゃありません。
「あとBADBOYSね」
「BADBOYS?」
「暴走族の漫画よ。そういうのは見ないのね」
「暴走族嫌いですから」
「私も嫌いだけれど。そうよね、やっぱり」
「はい。先輩は?」
「私だって不良とかヤクザ屋さんとかそういうのは好きじゃないわよ。広島には履いて捨てる程いるし」
 そんなにいるんですか。何か話を聞いていると広島って物凄いところじゃないかしらって思えてきました。ヤクザ屋さんに暴走族が普通にうようよいるって。
「けれど広島が舞台だから知ってるのよ」
「そうだったんですか」
「そうなのよ。その漫画でも男は皆わしで女はうち」
 そうらしいです。何か物凄い世界みたいですけれど。
「それで私もそうだったけれど」
「変わったんですね」
「かなり言われたし」
 ここで顔が少し憮然としたものになっておられました。
「私の広島弁」
「ですか」
「大阪弁と比べてそんなに変わってるかしら」
 私にはあまりわからないですけれど。私も結構頭の言葉が出てるって言われています。
「どうかしら」
「どうなんでしょ」
 やっぱりあまりわかりません。
「私はそんなに思わないですけれど」
「そうなの」
「ええ。それよりもですね」
 ところで今私達は神殿の前を歩いています。売店が立ち並んでいて楽しい場所ですけれどここで前から三人の年輩の女の人達が来ました。ところが。
「んっ!?」
 先輩が顔を急に顰めさせました。
「ちっち、今のって」
「ですよね」
 私も先輩と同じことを感じました。これは。
「わかる!?」
「わからないです」
 二人で小声で囁き合って話をします。
「何て言ってるのかしら」
「それよりも先輩」
 私は先輩に言いました。驚きを隠せない顔で。
「あの言葉ってまさか」
「そうかもね」
 先輩は私に答えてくれました。私と同じ顔で。
「あそこにも大教会あるから」
「ですよね。じゃあ」
「待って。ほら
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