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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第256話 この場所から始めよう
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なに?』
『もー、ちゃんと聞いててよー。ほら、ボク達に出来る事なら なんでもするからー! って言ったじゃん。……皆には沢山沢山貰ってるからさ』
少し恥ずかしそうに言うユウキ。それを訊いてこの場の皆が微笑みを浮かべた。
ユウキやランからも沢山皆は貰っている。諦めない事。そのひたむきさを沢山貰っている。目に見える形として、と言われれば確かに頷けないかもしれない。だけど、それだけじゃないんだ。
その一瞬一瞬の感情は、とてつもなく膨大な情報量だ。
これはまだ仮想世界には勿論、現実世界にだって表現しきれないかもしれない程のものをユウキとラン、スリーピングナイツの皆から教わったのだから。
『……勿論。勿論ですリュウキさん。アスナさん、レイナさん。……私達は沢山貰ってます。だから、出来る事は何でもしたい』
ランははっきりとそう答えた。
その答えを訊いたリュウキは、満足そうにうなずく。
「えっと、話が見えないよー。リュウキくん。なーに? なにかあったの??」
「そうそう。ちゃんと教えてよ。サプライズ……なんだよね?」
まだ話が見えない明日奈と玲奈にもリュウキは微笑みを見せた後 数歩歩き出した。数秒後 ……とある家の門の前に止まる。
そこは、ユウキとランの思い出が詰まった場所。家族が暮らしていた家。
「2人が元気になった後、手を貸してもらいたい事業が沢山あるんだ。主にVR世界ででの環境調査や体験しての評価、問題点の抽出……などなど、挙げ出したらキリがない。今VR世界は創世記。無限に広がっているから」
リュウキはゆっくりと皆の方を振り向いた。
「仮想世界で、とは言っても 仕事にするとなると 色々と疲労は溜まる。それは他人には判りにくいし、無理をさせてしまう事だってある。オレも小さな頃から色々として来たけど、親が言うには やっぱり精神面では色々と大変だったらしいんだ。……そんな時に、支えてくれるのが周囲の環境なんだ。体験者は語る……だよ」
そして、手を持ち上げ、家の方を差した。
「……まずは、進む一歩目。戦いに勝って 新たに別のステージに出発する為の門出。それをここから この場所から始めたい」
リュウキは目を瞑り、そして一呼吸置いた後に目を見開いて言った。
「オレはこの家を……… 2人の将来の職場にしたいと考えているんだ。慣れ親しんだ場所。……心の安らぐ場所。それは 《自分達が帰るべき家》だって、オレは学んだから。最高のパフォーマンスが出来る場所は きっとここ以外にないと思ってな。倉橋先生にも相談して、太鼓判を貰ったよ」
その言葉を理解できた者はいなかった。明日奈も玲奈も、そして ユウキとランも理解できなかった。突然の事に頭が
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