第37話 事情聴取と勘違い
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た。そういえば人見知りだって言ってたわね。
「……特徴はあってるし名前も一致しているか」
「……特徴?」
「お前、帝国で起きた事件の犯人と遭遇した兄妹の妹のほうじゃないか?」
「ど、どうしてそれを……!?」
フィルは驚いた様子でアガットを見ていた。帝国ってエレボニア帝国の事よね?そこで起きた事件とフィルが関係してるの?
「カシウスのおっさんから依頼を受けていてな。お前の兄貴が探しているんだとよ」
「リィ……じゃなくてリートが!?」
「ああ、今そいつはロレントにいる。良かったな、家族が見つかってよ」
「そっか……リートはカシウスに、遊撃士協会に保護されてたんだ。そりゃ見つかんないよね……」
フィルは嬉しそうに微笑むがあたしとヨシュアは驚いていた。
「フィル!あなた、リート君の妹だったの!?」
「エステル、もしかしてリートの事知ってるの?」
「知ってるも何も父さんが保護した子だしあたしたちはロレント出身だから何度も会ってるわ」
「えっ、エステルってカシウスの娘だったの?」
「そういえば苗字は名乗ってなかったわね」
まさかリート君に妹がいてしかもそれがフィルだったなんて……なんというか奇妙な縁過ぎて言葉が出ないわ。
「やれやれ、ようやく見つかったか。これでおっさんから押し付けられた仕事も大体片付いたな」
「アガットさんはフィルの行方を捜していたんですか?」
「ああ、カシウスおっさんから連絡受けてな。自分の代わりに探してくれと急に言ってくるもんだからたまったもんじゃないぜ」
「父さんが……それにしてもリート君も水臭いわね。妹がいるだなんて言ってくれてたらもっと早くフィルのこと報告できたのに」
「まあまあ、彼の事だから僕たちの旅に余計なものを背負わせたくなかったんじゃないかな?」
「そうだとしてもさ〜」
まあその件についてはまたリート君と話すことにしよう。今はフィルの事を一刻も早くリート君に伝えないといけないしね。
「フィル、早速ジャンさんの所に行ってあなたが無事だったことをロレントにいるリート君に報告してもらいましょう」
「……うん!」
フィルは出会ってから一番輝いた笑顔をあたしに見せてくれた。まあこの笑顔が見れたんだから旅に出てよかったって思えるわね。
あたしたちはギルドに戻り今回の件とフィルの件を伝えるとジャンさんは早速ロレント支部へと連絡をしてくれて取りあえずは今回の騒動は幕を閉じた。まあまだ犯人は見つかってないんだけどね……
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