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おぢばにおかえり
117部分:第十六話 色々と大変ですその四
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を顰めさせての言葉でした。
「何か底冷えして風が冷たいし」
「おぢばよりですか」
「そうね、おぢばよりね」
 何かかなり寒いみたいです。私は神戸の人間なんで冬は風に苦労しますけれどどうやらそれよりもまだ風が強いみたいです。
「寒いし東京ドームはあるし」
 また巨人が出ました。
「新聞は巨人贔屓だし」
「それは凄く嫌ですし」
「美味しいものはないし物価も高いのも」
「いいことないじゃないですか」
「やっぱり広島が一番よ」
 そこまで言ってにこりと笑う佐野先輩でした。
「それとおぢばがね。ここも慣れるとね」
「いいんですか」
「落ち着かない?」
 確かにそれはそうです。
「人情もあるし穏やかだしね」
「そうですね。それは」
 とりあえず東寮は置いておいて。確かに人は優しいですし穏やかです。
「だからいいのよ。野球は阪神ばかりだけれどね」
「広島じゃなきゃ駄目ですか」
「やっぱりあれね。江夏の二十一球」
 聞いたことがあります。何でもこれを実際に見てはいないのにずっと心に残っていて一生忘れられない人までいるそうです。そこまでの名場面だったとか。
「あれを見ずして野球はないわ」
「ですか」
「ちっちはやっぱり阪神ファンかしら」
「ええ、そうですけれど」
 それこそ一家代々の阪神ファンです。それを誇りにすら思っています。

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